サンセバスチャン72hrs

2019年GWに3泊したサンセバスチャン。3日間の滞在のうち、主にバルの話です。

2回目のサンセバスチャンでしたが、やっぱりおいしく、おとなになるほどその良さが染みるタイプの街だなとしみじみ実感しました。

1日目 18:00 – サンセバスチャン到着

バルセロナから飛行機で1時間15分でサンセバスチャンに到着。アクセス情報や街の全体の様子などは、こちらにまとめています。

訪れた4/27は日の入りが21時過ぎだったので、到着してもまだ夕方どころか日中の様相でした。

サンセバスチャン空港はマドリッドとバルセロナから国内線のみが離着陸する小さな地方空港。フライト到着時間に合わせていくつかの街へのバスが運行されていました。

19:00 – ホテル到着

コンチャ湾に面する伝統的ホテル『Hotel de Londres y de Inglaterra』(ホテル デ ロンドレス イ デ イングラテラ)へ。(ホテルの話はホテルライブラリー「サンセバスチャン_王道の品格」にて)

荷物を置いてひと息ついてから、まず近所のスーパーへ。水、チーズ、オリーブ、ホワイトアスパラなどを買いました。

21:15 – バルめぐりへ出発

ひとしきりホテルを愛でた後、さっそくバルめぐりへ繰り出しました。

21時過ぎでもこの明るさ!

21:30 – バル1軒目

土曜日の夜とあって、バルが所狭しと立ち並ぶ旧市街はたくさんの人。

お目当てのバルは立ち飲みもぎゅうぎゅうで、まずは比較的余裕のあった『CASA VERGARA』へ。

このバルはなんと、ピンチョス発祥のバルだとか。奥行きがあるバルのカウンターには、ピンチョスがぎっしり。ここではまずビールに白身魚が乗ったピンチョスを。

21:45 – バル2軒目

次に訪れたのは『GANBARA』。

このバルもカウンターに近寄れないほど混雑。

ここでは名物のCrab Taetlets(かにのタルト)とチャコリを。チャコリはバスク地方で生産される微発泡ワイン。甘みがなくスッキリとした味で、アルコール度数も低め。泡立て、香りを出すために、高いところから注がれます。

かにのタルトは注文すると温めてくれました。

22:00 – バル3軒目

次は『ZUMELTZEGI』。

こちらはフォアグラが名物です。甘酸っぱいりんごソースとの相性が絶妙。

フォアグラは日本では高級フレンチに行かないとお目にかからないですが、サンセバスチャンではバルで500円ほどで食べられます。毎日食べ比べしました。

22:30 – 締めのバスクチーズケーキ

日本でもブームになっているバスク風チーズケーキ。その発祥はここ、サンセバスチャンの『La Vina』です。

イートイン(といってもいつでも大混雑なので食べるスペースを見つけるのもひと苦労)だけでなく、テイクアウトもできます。5ユーロで2つ乗ってきました。

このチーズケーキ、本当においしかった…。

軽くないのに重くない、濃厚だけどさっぱりもしてる、そんな絶妙な味で、ぺろっと完食。

2日目 9:30 – 部屋で朝食

昨日スーパーで買ってきたものたち。

今回はバル巡りで毎日満腹になることまちがいなしなのと、朝食でついつい食べすぎてしまうのがこわかったのと、同じホテルに3連泊で朝食に飽きてしまうと予想したのとで、食事なしのプランで予約をしました。

あと朝食なしだと起きる時間を決めずに朝のんびりできるのがうれしい。オリーブ、ヨーグルト、チーズなどでヘルシーに。

昨日の移動疲れをとるべく朝はのんびり。ビーチを眺めがてらバルのある旧市街へ向かいます。

13:30 – バル4軒目

昨日混んでいて入れなかったバルから攻めることに。

4軒目は『ATARI』。

着席できるスペースもわりと多くあるのですが、お昼時は満席。

カウンターの前で、フォアグラとアンチョビとチャコリを。

このフォアグラも感動もの。

14:00 – バル5軒目

続いて『GANDARIAS』、こちらもカウンターは隙間もないほど。黒板に書いてあるメニューは英語表記もあり。

ここはSOLOMILLOというビーフステーキが名物といわれています。

注文したのはサーロインステーキ、わずか2.8ユーロ(!)と、ウニのなんとか、赤ワイン。

14:30 – バル6軒目

次は『Bar Sports』へ。

その名の通り、スポーツ観戦を気軽に楽しめるいわゆるスポーツバーという感じです。

わりとお肉が続いていたのと揚げ物が恋しかったのとで、イカのフリットを注文。揚げたてはやっぱりおいしい。

15:00 – バル7軒目

次に訪れた『LA CEPA』は、生ハムが有名。

写真を撮りたいなと思っていたら、チャコリを注ぎながらとびっきりの笑顔で応えてくれたおねえさん。かわゆ。生ハムどーーーん。

この生ハムがまた、すごくて。ほろ酔いで書き留めたメモには「脂がしっとり芳醇なのに全くしつこくない奇跡の生ハム」とありました。

15:30 – 再びチーズケーキへ

相変わらずお店は賑わっていたので、テイクアウトにしてホテルでゆっくり味わうことに。ぺらぺらではないしっかりしたプラスチックケースに入れてくれます。持ち歩いてもつぶれないので安心。

16:00 – ひなたぼっこ、からのビーチ

想像よりは寒かったとはいえ、太陽が注ぐとそれはそれはまろやかな午後。映画館のように同じ方向を向いているベンチの一角に座り、しばし酔い覚まし。

ビーチには広告文がたくさん。プロと思われる人たちがするすると砂に描いていく様子はそれはもう鮮やか。Instagram見てね、が多かったです。

4月おわりで気温15℃ほど、ダウンを着ている横たわっている人がたくさん。ビーチなのでいかんせん風が強いのですが、それでも半袖半ズボンでビーチバレーを楽しむ人も。

ホテルに戻る時、先に部屋に上がってビーチから撮ってもらった!

19:00 – チーズケーキとマジックアワー

ホテルで海を見ながら糖分摂取。ビーチだとやっぱり風が冷たくて、長居するにはちょっと厳しい気候です。ソファにもたれて、風のない快適が部屋で過ごすおやつタイムは最高。

この時間に戻ってきたのは、部屋からサンセットを眺めるため。日の入りが21時過ぎというのに、20:45でもまだこの明るさです。

21時半でこんなに明るいなか、再びバルへ繰り出します。

21:45 – バル8軒目

『Urola』ではアーティチョークを。

22:15 – バル9軒目

2日目最後のバルに選んだのは『Fuego Negro』。

創作系タパスが豊富といわれ楽しみにしていたのですが、時間が日曜日の遅めだったからかいいなと思ったメニューはほぼ売り切れ。

選んだのは、神戸ビーフのミニバーガー、ポテトでできたパッタイ、タラのフライ。

期待が大きかったからか、3品ともそんなに響かず。。

23時過ぎにホテルへ戻りました。

3日目11:15 – 遅い朝食

この日もオーシャンフロント・ブレックファーストをのんびりと。

13:00 – ちょっとフランスまで

路線バスでわずか30分強で、フランスとの国境沿いの町・オンダリビアに到着します。

オンダリビアから小さなフェリーに揺られることわずか10分弱で、フランスはアンダイエに。わずか2ユーロでの国境越え、もちろんパスポートチェックなどもなく、あっけなくお隣の国に入れました。

バス停ならぬフェリー停の目印かわいい。

15:00 – アンダイエ到着

ここからが本当に大変で…。

ビーチを眺めつつ、途中でバスに乗ってアンダイエの鉄道駅まで行ってサンセバスチャンに戻ろうと思っていたのですが、バスがぜんぜん来ず。。

結局アンダイエの鉄道駅までGoogle Mapを頼りに1時間半ぐらい歩き続けました。つらかった。。

サンセバスチャンに戻る駅は、こんな小さな入口。

列車は近代的で快適、およそ30分で戻ってきました。

17:30 – ホテル帰還

ちょっとした遠出、しかも予想外の徒歩でわりと疲れて、しばらく休憩。

客室ツアーを撮りました。

18:00 – バル10軒目

3日目の1軒目は『SIRIMIRI』へ。

ここ、私がいちばん好きになったバルでした。

混んでいながらも入口に近いハイテーブル席が運良く空いたので、まずはピンチョスを3種類。

カウンターに置いてあるピンチョスは基本的にできたてではないのですが、それでもこんなにおいしいなんて…と感動してしまい、続いてサラダとポークリブを注文。

サラダとポークリブもものすごくおいしくて、タルタルと包子(パオズ)とリゾットを追加注文。お酒もどんどん進みます。

この2日間、お昼も夜も立ってさくっと飲んで食べて次へ、というホッピングを楽しんでいたものの、座って落ち着いて食べるのもいいよね、となってここで座ることにしましたが、これが大正解。長居をするのは粋じゃないと思いながらもおいしくて次々注文してしまいました。

席を探しているカップルがいたのでお譲りして大満足でお店をあとに。フランス歩きの余韻でお酒もまわり、この日は1軒でおしまい。

20時過ぎにバルを出てもまだこの明るさ、お得感しかない。

この後、ZARA(メンズ・レディース・キッズ・ホームが揃うヨーロッパ最大の路面店だとか)をのぞいたりスーパーをぐるぐるしたり(どちらも同じビルに入っていて便利)して、ホテルに戻りました。

ホテルに戻った21:43でもまだこのトワイライトです。マジックアワーは経験上は平均15分間ほどですが、サンセバスチャンでは1時間近くゆっくりと濃紺になっていきました。

4日目12:30 – ランチへ出発

名残惜しくもチェックアウトをして、ランチへ。ランチももちろんバルで。旧市街の外まで歩いて行きました。

海とつながった川が美しい。

13:00 – バル11軒目

グロス地区という旧市街の対岸にあるバル『BERGARA』へ。

創作ピンチョスの第一人者的バスとして、話題になっています。

早速チャコリ。入れる動作もピンチョスもバランスがすごい。

注文したのは、ウニのカクテル、エビのカクテル、フォアグラのぶどうソース添え(3.5ユーロ)、コロッケなど。

味はというと、昨日のSIRIMIRIの方が好きでした。もちろんおいしくはあるけど、感動はなかったかな。

14:30 – ジェラート

旧市街の入口にあるジェラート屋さんにふらっと入って食べ歩き。ショップの写真もアイスの写真も撮らず、アイスにかぶりついている写真しかなかった……。

15:30 – バル11軒目

最後のバルをどこにするか考えた結果、昨日おいしくて感動した『SIRIMIRI』を再訪することに。時間的にすいていて、奥のカウンターに座れました。

2回目は、たことサラダを。

スペインといえばサングリア。サングリアもどのお店にも置いてあって、サングリアとチャコリを交互に飲んでいました。

16:30 – ホテルバー

ロケーションが最高すぎて、何時間でもいられる……。長いこと海と行き交う人を眺めながらビールを飲みました。ビールがはかどるはかどる。

チェックイン時に渡されたバーでのワンドリンクチケットでしばしぼーっとする時間。

この後、バーをちょっと抜けて、最後の買い物へ。OYSHOがかわいすぎてかわいすぎてつい長居(&爆買い)してしまった。

18:00 – ホテルを出発

名残惜しくも大満足で、次の街・リスボンへ向かうために駅へ向かいます。徒歩15分ほど、スーツケースを引いていても楽々歩ける距離でした。

18:30 – 駅に到着

国境を越える夜行列車が止まる駅とは思えないほどこぢんまり。ピンクでかわいい!小さな売店が1つあります。

19:10発のリスボン行き夜行列車を待ちます。

19時もまだまだ昼間と同じ明るさなので、夜行列車に乗るのはなんだか不思議な感じ。

サンセバスチャン72時間を終えて

サンセバスチャンで過ごした丸3日間、常においしいもので満たされていました。どこのバルに行くか、何を食べるか、何を飲むか、そればかりを考える楽しさったら……!

バルはどこも、名物はもちろんそれ以外でも個性があるピンチョスばかり。1軒で1杯1ピンチョス、それをエンドレスで楽しめる文化、万歳。

街全体の食のレベルが高いから、お店選びに慎重にならず気軽にはしごできるのって、最高すぎませんか!?!?常連さんももちろんいるのだろうけど、観光客にもとてもオープンでフランク。スペイン語は挨拶程度しかできなくてもどこも英語で対応してくれて、お会計も明瞭でした。

街はとても小さいので「住みたい!」というよりは「初夏にビーチとバーを往復する2週間を過ごしたい」というサマーリゾートな感じです。サンセバスチャンに拠点を起きつつ、フレンチバスクに日帰りしたりビルバオに足をのばしても。

日本からのアクセスはヨーロッパのなかでも不便ですが(飛行機で行くならイベリア航空のマドリッド直行便を利用する以外は基本的に2回乗り継ぎが必要)、スペインまで足をのばすならば列車やバスで訪れる価値のある街です。