#寒くて憂鬱 #気力を補充したい #脱ウィンターブルー

冬、それは寒さとの戦い

冬の寒い日が続くと、体力はおろか、どこかへ行きたい気持ちさえ姿を消しがち。

東京、12月にはすっかり冬で、桜が咲く頃まで向こう4か月は気温ひと桁台が続く日々。1年のうち4か月は寒い、つまり1年の3分の1は冬なんですね……。

冬、圧倒的に快晴が多いし、富士山も毎日のように美しく望める。雪が降れば無条件にときめくし、こたつやおでんや星空と冬ならではの楽しみもある。

それはわかっていても、こうも毎日寒いと嫌になっちゃうよ、というぼやきが連なりがちです。

    

寒ければ低温にもなるよね

それもそのはず、寒さは脅威。人間活動を停滞させる脅威なのです。

人は寒さを危機と認識するようプログラムされていて、寒さはストレスに直結します。

心に余裕がなくなり攻撃的になるのは、生存本能なのです。しかたない。

そのうえ、冬は幸福感をもたらすセロトニンの分泌がそもそも減り、加えて日照時間が短いため、セロトニンを生成する環境自体が整いづらくなります。

さらに、セロトニンを材料としてできる体内時計管理役のメラトニンの分泌も減るため、睡眠も乱れやすく、常に眠い状態になりがち。

また、不足するセロトニンを健気にも補おうとして、セロトニン生成に必要な糖質を求め、炭水化物や甘いものを欲してしまったり。

「常に眠い」「ご飯にパンに麺が止まらない」「デザートはいつにも増して別腹」は、冬を乗り切るための防衛本能が働いている証拠なのです。だらけているわけでも怠けているわけでも、ない。

冬はこんなにも人間にとって過酷な条件が揃ったシーズンなのです。

実際、「ウィンターブルー」なる言葉が存在していて、冬に気分が落ち込みやすいことは医学的に明らかだそう。

冬の諸々と人間の性質とが相まり、冬がなんとも御しがたい時期であることは抗えない事実のようです。

    

一体どうすれば

メカニズムがわかり、“なんとなく不調”が自分のせいではないとわかると、肩の荷が下りた気持ちになります。

そしてその後は、ではいかにしてすこしでも快適に冬とつきあうか、が気になります。

たとえば、日常で明日からできる解決策リストがこちら💡

・午前中に太陽の光をめいっぱい浴びる

・起きる時間と寝る時間を一定にする

・たんぱく質を積極的にとる

・有酸素運動をする

 

いわゆる健康的な生活です。冬こそ健康に過ごそうね、というシンプルな解。

ではこのリストを明日からさっそく始めよう、となれれば最高。

でもそんなに簡単にはいきません、だって冬だもの。

一度に4つも新しいことを始めるなんて、ただでさえ気力が落ちている冬にはハードルが高い。腰が重すぎる。

そんな時の特効薬が、旅です。

どこかへ出かけると思うと、どんなに疲れていてもうきうきするのが旅好きの性。

そのうきうきを燃料に、冬特有のどんよりを緩和するきっかけとしての旅、おすすめです。

    

脱ウィンターブルーを果たす発動条件

では、人間の本能にプログラムされているウィンターブルーを遠ざける旅とは。

過去の冬の国内旅を振り返って、有効だったと思える旅の基本条件を考えてみました。

・晴天率の高い場所を選ぶ

・朝食付きにする

(眠いうえに布団が友だちの冬はつい寝坊しがち、朝食を強制起床装置として発動する)

・夕食は肉も魚もとれる宿ごはんを

・温泉であたたまる(サウナでリフレッシュする)

・日中しっかり活動し、夜ふかししすぎず睡眠を確保する

・気分が上がる体験を用意する

  

旅先選びの鍵は「日照時間」

冬の旅こそ、夏へ逃避できる海外ビーチリゾートが圧倒的ドラフト1位!

が本音なのですが、今回は「今この状況を改善する目星をつけたい」を解決すべく、「思い立ったら来週行ける」の観点から、日本でおすすめの場所を挙げていきます。

今回の条件を満たす旅先、基本的に太平洋側推しです。

日本海側と太平洋側で比べると、圧倒的に日照時間が長いのが太平洋側。

たとえば新潟と東京で比較してみると、同じ12月でも東京の日照時間は新潟の約7倍……!

ちなみに東京は47都道府県中25位。

年間の日照時間の長い都道府県ランキング(県庁所在地基準)のトップ10はこちら。

  1. 山梨
  2. 高知
  3. 静岡
  4. 群馬
  5. 宮崎
  6. 愛知
  7. 徳島
  8. 岐阜
  9. 三重
  10. 和歌山

冬に限定すると、北陸エリアの日照時間の少なさが特に際立ちます。

新潟、石川、富山、福井あたりは、冬型の気圧配置の影響をうけて12月の10日間で5時間程度の日照時間しかなかった年も。

山梨が1位は意外でした。長い日照時間がワインの生育に向いているとのこと。

そしてもっと意外なのが、冬でも太陽が出ているイメージがある沖縄、九州が上位に入っていないこと。

12月の10日間を抽出したあるデータでは、沖縄はなんと上記の北陸に次ぐワースト5位(!)。

実は冬の沖縄旅行は曇天が多く、“1年中青い空と青い海”のイメージとはかけ離れているといえます。

北陸、沖縄に次いで、東北(山形・秋田)や山陰(島根・鳥取)などの日本海側は、日照時間の少ないエリアです。

    

さてどこへ行く?

このランキングのなかから、冬でも晴天が多く太陽が降り注ぐ街をピックアップし、「次に行ったらこれする/ここ周る」をまとめました。

※下記の写真は各県・市・ホテルの公式サイトよりお借りしました。

    

高知

日照時間第2位の高知は年間を通じて温暖で、晴れの日が多い県。

ひろめ市場(“酒飲みたちのパラダイス”との異名あり)、果物(冬は文旦・みかん・ぽんかんなどの柑橘類が充実)、そして四万十川!晴れた日の清流は息を呑む美しさで、せせらぎには浄化作用が。

夏に訪れた宿毛の海は本当にきれいで、いまだに私の国内No.1海に君臨中。沖縄本島のビーチよりも透明度が高く、10m近い海底までクリアに見えた記憶が鮮明に残っています(ダイビングは4月下旬から11月上旬頃まで)。

    

宮崎

九州ながらプロ野球の春季キャンプ地に選ばれることからも、温暖さと晴天率は折り紙付き。

ヤシ科の木々が並び、白砂のビーチが広がり、マンゴーが採れるなど、本州で1、2を争う南国情緒。崖の織りなす峡谷を下る高千穂峡は壮観。

    

徳島

定番の鳴門の渦潮が有名。

いまや「地方創生の聖地」として一躍その名を全国に知らしめた神山町が気になっています。徳島市街から車で1時間ほどの牧歌的なエリアながら、ITベンチャーや若者が続々と移住・訪問していて注目を集めている町。

また、ゼロ・ウェイスト宣言によりCMにまで登場した上勝町も、その仕組みに触れてみたい。上勝町にあるクラフトビール醸造所・RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Storeも、訪れてみたいリストに入っています。

    

和歌山

じゃらんの2021年旅行満足度ランキングで、1位に輝いた和歌山。前年の8位からのジャンプアップだそう。たしかに1位は意外です。

「子供が楽しめるスポットや施設・体験が多かった」(3位)、「ご当地ならではの体験・アクティビティが楽しめた」(7位)」といった項目で上位とのこと。

世界遺産である高野山と熊野古道、海も山も広がる豊富な自然、国内でわずか3か所しかないパンダを見られるアドベンチャーワールドと、実は多彩な観光要素が揃っていて、バランスがとれた県。すこし調べただけで、和歌山城や“日本のアマルフィ”・雑賀崎など、観光できそうなスポットが出てきました。

    

広島

さまざまな顔をもつ県のひとつ。宮島は風情があり、市内でもしだれ柳が並ぶ川沿いに路面電車とレトロな雰囲気が広がります。

次に訪れるなら、尾道と生口島と決めています。尾道では、入り組んだ路地を練り歩いて、海を見下ろしながらカフェでぼーっとしたい。そして尾道からしまなみ海道をサイクリングして生口島へ。アマン創始者であるエイドリアン・ゼッカがプロデュースした初めての旅館・Azumi Setoda(築140年の元豪商の邸宅を引き継いだ日本旅館)に宿泊したいと目をつけています。

    

香川

香川の醍醐味は、瀬戸内海に浮かぶ島々。

直島では是が非とも『ベネッセハウス』へ宿泊を!安藤忠雄による設計の、美術館とホテルが一体となった施設です。客室棟は「ミュージアム」「オーバル」「パーク」「ビーチ」の4タイプあり。各客室にアートが飾られていて、部屋にいながらアートに触れられる仕様。

訪れた時はひと夏限定の施設に泊まったので、次回は「オーバル」に泊まりたいところ。

地中美術館はその光に衝撃を受けた場所。いつまででも『睡蓮』に浸れる空間でした。そしてジェームズ・タレルの「オープンスカイ・ナイトプログラム」は、一生に一度は体験してほしい空間。

    

冬だから、ワクワクをつくろう

寒いとどうしてもからだが縮こまる、それは抗えない自然の摂理。

外に出る機会そのものが減りがちだから、青空と太陽を求め、すこしでも暖かさを期待できる場所へ。

そして疲れないゆったりとした現地計画を立てて、その計画の過程もスローに楽しむぐらいが、冬にはちょうどいい。

ウィンターブルー解消の一手になりますように。

    

  

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