リスボン48hrs

2019年GWにリスボンを訪れた時の実録街歩きです。

リスボン、3回目だったけどやっぱりかわいすぎてかわいすぎてにやにやが止まりませんでした……。

1日目 7:30 – リスボン到着

サンセバスチャンから夜行列車に揺られること12時間、リスボンに向かいます。

この夜行列車もまたかわいいんです。スモーキーピンクや赤紫がどことなく映画「グランド・ブダペスト・ホテル」の世界観を彷彿とさせるレトロな色づかいでした。

予約したのは、グランクラスというトイレとシャワーが付いている個室。

スペインの夜行列車は基本的に、座席のみ、相部屋(トイレ・シャワーなし)、個室(トイレ・シャワーなし)、個室(トイレ・シャワー付き)があります。

トイレとシャワーが付いていない部屋を利用する場合は、共有のトイレとシャワーを利用(車両によっては共用のシャワーがない場合もあるとのこと)。

どちらも経験がありますが、女子はトイレ・シャワー付きの個室が無難。

ほとんどの夜行列車は早朝に到着するためすぐにはホテルにチェックインできない時間であることと、防犯的な観点と、個室とトイレ・シャワーとの移動で荷物をまとめたりする手間とを考えると、私は今後もトイレ・シャワー付き個室一択という感じ。

何か食べたり荷物を整理したりしてちょっと手を洗う、というのが気軽にできるのも侮れません。

ちなみにトイレが部屋にあると匂いが気になるかなと心配していたのですが、全く気になりませんでした。(一度トイレが流れなかった時は車掌さんに来てもらって直してもらいました。直せる車掌さんすごい。)

乗り込んだ時は並び席でしたが、車掌さんによってあっという間に2段ベッドに早変わり。一瞬の出来事すぎてビデオをまわす前に変身してしまった…残念…。

4/30のサンセバスチャンの日の入りは21時過ぎ。夜行列車はサンセバスチャンを19時過ぎに出発したので、乗ってしばらくは窓から車窓を眺める時間がたっぷりありました。

日が沈んで青の世界が見えなくなるまで、2時間ずーっと外を眺めていました。

暗くなってからはバーへ。L字型カウンターに簡易イスというシンプルな造り。ビールやワインをちょっと1杯、という人で満席になる時間もありました。

そして揺られること12時間、リスボンに到着。

夜行列車が大好きなので降りるのが名残惜しかったのですが、列車から一歩出た瞬間に駅に目がハートに。

リスボンには夜行列車が発着する駅が2つあるのですが、サンセバスチャンからの列車が到着したのはSanta Apolónia駅でした。

8:30 – ホテル到着

到着したSanta Apolónia駅から、ホテルのあるBaixa-Chiado(バイシャシアード)駅までは地下鉄でわずか4分。

Baixa-Chiado駅は、ポルトガル建築の重鎮であるアルヴァロ・シザによるデザインで、建築界隈の方が視察に訪れることも多いのだとか。

Baixa-Chiado駅からは石畳の坂道を昇ること数分、到着したホテルはあまりに別世界でした。

ホテルはこちらの記事にまとめた通り、震えるぐらいラブリー…!

荷物を預けて、さっそく快晴のリスボンの街へ。

9:00 – 名物カフェで朝食

Baixa-Chiado駅には東と西に改札がありますが、階段を昇る方の西側の出口すぐにある有名な老舗カフェ「Cafe A Brasileira」。

1905年創業、重厚感ある店内に歴史を感じます。

奥行きはあるものの広くはないこのカフェは、たぶん朝が最も人が少ない時間帯。

晴れた日のテラスも捨てがたかったけれど店内がまた素敵なので、店内でかるく腹ごしらえをすることに。

ポルトガル名物のエッグタルト、キッシュ、ホットチョコレートを注文しました。エッグタルトは安定の味、キッシュが思いのほかおいしかった…!ヨーロッパのホットチョコレートは、THEチョコレートを溶かしましたという濃厚さが好きです。

10:00 – 路地裏散策

「Cafe A Brasileira」を背に右手に歩いて行くと、リスボンに3つあるうち最も有名なビカ線のケーブルカーが突如現れます。

路地のひとつに突然線路のある通りが混ざっていて、掘り出し物感たっぷり。ケーブルカー越しにテージョ川を望めるのがビカ線の特徴です。

このケーブルカーはたまたま新車できれいでしたが、横の壁を見てもわかるように落書きされているケーブルカーもあります。

いきなりリスボンを象徴する景色を目にするとテンションが上がります。

初めて来た時も前回来た時もここで何百枚と写真を撮り、ある意味では見慣れた景色なはずなのに、それでも今回も立ち止まって興奮しきり。

初めてリスボンに来た時に2週間滞在したゲストハウスがここからさらに5分ほど歩いたところにあり、散歩がてら今もあるか見に行き、あまりの懐かしさに中に入れてもらってきました。

その後はひたすら路地裏を歩き続けること1時間。いくらでも歩けてしまうのがリスボンの魔力。

ふたつとして同じ路地裏がなくて、ピンクや黄色、グリーンや水色やパープルの壁にアズレージョというポルトガル特有のタイルが張ってあって、家を見ているだけでどこまでも行けてしまいます。

通りかかった雑貨屋さんでこんなおもちゃの指輪を買いました。ピルケース、鏡もアズレージョ風の模様がかわいい。

街中には階段も多く、振り返っただけでこんな写真を撮ってもらえます。

そして再びBaixa-Chiado駅に戻り、リスボン名物の28番トラムに乗車。

路面電車なので車と共有しているのですが、対向車線だけでなく歩道ともこんなにすれすれです。

歩道にいる人とはハイタッチできそう。

対向車ならぬ対向トラムもかわいい。

ひとまず終点まで行きました。

窓から見える景色、坂道の登ったり下ったり、先の見えないカーブ、建物すれすれ人すれすれを通るのがアトラクションさながらで楽しすぎて、「どこで降りようかどこで降りようか」と乗り続けたら終点に着いてしまいました。

Baixa-Chiado駅横の広場から乗って、終点のMartim-Moniz広場まではだいたい40分ぐらい。

朝からだいぶ歩き午後にさしかかる時間だったので、ランチに。観光客向けレストランは好きではないので、路地裏のクチコミ評価が高いレストランへ。

シーフードが有名なお店だったけど、がっつりお肉を頼んでしまった。

その後、別のケーブルカー、グロリア線へ。

この傾斜!

街の高低差をカバーするために今もこんな風にケーブルカーが残っていること自体に感動してしまいます。

せっかくなので乗車して上まで行くことに。乗車時間はわずか3分ぐらい。ケーブルカーと並んで坂を登っている人もいますが、登山さながらにつらそうでした。

グロリア線の上の駅の近くには、消臭力のミゲルくんのCMに登場した展望台があります。

ちなみに…観光用ではなく市民の足としてケーブルカーが3つも現存しているリスボンは、地図からはその実体がつかめない街です。

というのも高低差が激しく、平面の地図では決してわからない想像できないから。たとえばBaixa-Chiado駅は、街の高台と低地とにまたがっているため、駅の東口を1階とすると西口は6階に位置します。この高低差を行き来するために街中には階段も多く、それがまた迷路のような神秘性にもつながっています。

さて、グロリア線の上の駅からホテルまで徒歩5分ほどだったので、一旦帰還。

今回リスボンは1泊のみ、せっかくなのですこしはホテルで過ごしてかわいいホテルの真価を味わわないとです。

5/1でも気温は30度近く、雲ひとつない快晴で日差しもきつい、そのうえ坂道の連続、加えて早朝から動いているともなると、ランチ後には疲れが出てくるので休憩にももってこい。

ホテルにようやくチェックインすると…もうかわいすぎてノックアウト。

(ホテルの詳細はこちら

ホテルの部屋がかわいすぎて出たくなくなってしまったのですが、後ろ髪を引かれながらもリスボンスイーツを仕入れに再び街へ。

16:00 – スイーツハンティング

まずはホテルスタッフにもおすすめされたエッグタルトのお店・Manteigariaへ。

店内はカウンターのみ。みなさんエッグタルト1個、またはドリンクを一緒に注文して、さっと食べていました。エッグタルトのスタンディングカフェ、かわいかった……。私はせっかくのお天気なのでテイクアウトに。1個1ユーロ、2個入りのボックスに入っています。

次はチョコレート専門店「Chocolataria Equador」へ。ポルトに本店をかまえ、サロン・デュ・ショコラにも出展したことがあるとかで有名なようです。

ここはとにかくパッケージがかわいい。買い占めたかったです。

1枚8ユーロほどで、自分用とおみやげ用に購入しました。

そしてこの後はMANGOでワンピースをハント。MANGOの絶妙な色づかいの虜でした。

19:30 – マジックアワーにルーフトップバー

日本でも海外でも旅先で必ずやることといえば、日の入り時間のチェック。

この日の日の入り時間は20:28なので、20:30の前後30分は高台から街を眺めることにしていました。

向かったのはホテルから徒歩3分ほど、リスボン名物のサンタ・ジュスタのエレベーター近くにある「TOPO」。

正式なバーというよりは、ヨーロッパの建物によくあるルーフトップにバーカウンターを設置して椅子を置いた簡易的な場所ですが、サンタ・ジュスタのエレベーターとサン・ジョルジェ城が見渡せます。

サングリアがたしか3.5ユーロほど。リスボンはヨーロッパの首都ながら物価が安いです。こういうバーでは日本でもバルセロナでもローマでも1杯1,000円ぐらいするなかで、リスボンだと500円ぐらいとお手頃。

本当は21時までここにいたかったのですが、放射冷却と風により昼間の暑さがまぼろしだったかのように急激に冷えてきたので、やむなくディナーへ向かうことに。

21:00 – 隠れ家ディナー

ケーブルカーグロリア線の上の駅、展望台の向かいにあるレストラン「The Decadente」へ。

展望台からはちょうどマジックアワーの街並みが広がっている良い時間帯でした。

ホテル併設のレストランながらカジュアル、でもこぢんまりとした隠れ家的レストランです。

サラダ、エビ、リゾットを注文。

もっとカジュアル、もっと高級なレストランはほかにあると思いますが、くだけすぎずうるさすぎず気どりすぎずの空気感が心地よかったです。

ポルトガル料理をベースに創作心あるメニューもオーダーに迷うほど。ポルトガルらしいシーフードをつかった料理が並び、選び甲斐がありました。

席数が多くなく、照明が暗く、バーのような雰囲気。でもおそらく地元の家族連れも多く、気取った感じがなくリラックスできました。リスボンに暮らしていて、日曜日の夜に着心地のよいワンピースでのんびりふらっと入る感じ。(実際は祝日の夜だからかほとんどが予約で満席でした)

わざわざ行きたい度★★★☆☆

この後、バーにでも行きたかったのですが、朝7:30から休まず歩き続けてあえなくダウン。

2日目 9:30 – かわいい朝食

チェックアウトまで朝食やパッキングをゆったりすると決めていたので、朝はのんびり。

朝食はというとメニュー自体はコンチネンタルブレックファストで味もノーマルでしたが、朝食ルームがかわいすぎて悶絶。

12:30 – 川沿いの広場へ

ホテルからテージョ川まではほぼ一本道でコメルシオ広場を目指しました。

ひたすらに広場が広がる様子と空の広さと川の眺めは壮観です。電動キックボードのレンタル、楽しそう。

踊るマダム。

広場の先に広がるテージョ川。川と地面との境が曖昧で、こんな風に座って川を眺めることができます。水遊びしている親子も。

日本だと柵や看板が立っていますが、こちらは自己責任スタイル。川と地面の境目が本当にわからないので、見ていると時にひやひや。

13:00 – リスボン1の絶景をテラスから

昨日に続きトラム28番に乗って、Miradouro de Santa Luzia(サンタ・ルチア展望台)へ。

まずは隣接のポルタス・ド・ソル広場で絶景にくぎ付けに。

ここもまたアズレージョのタイルもかわいいしブーゲンビリアは美しいし停泊している大型クルーズ船は絵になるし、ずっといられてしまう危険スポットです。

広場奥のこの階段、気になる……。

昇ってみると、そこは「Bar Terraço de Santa Luzia」というオープンテラスのバーでした。180度見渡せるつくりになっている特等席です。

細長いバーで20席ほど。サングリアとレモネードを注文し、日差しと涼風をたっぷり堪能。

5月のリスボンは日差しも強く気温も高いのですが、湿気がなく風は心地よく、いくらでも外にいられます。たっぷり1時間休憩しました。

15:00 – ビカ線ケーブルカー再び

再びトラム28番に乗って、「Time Out Market」へ向かいます。

どうせ通り道だから…と言い訳して、ケーブルカーに乗りました。

上から撮って、

下から見上げて、

途中から見上げて。

写真を撮りたくて歩いて下り、中腹で待ち構えました。

下の駅で止まっている姿も存分に眺め、上に向けて折り返し出発するまで20分ぐらいひたすら愛でていました。

15:30 – フードホール世界1号店に到着

Time Out Marketは、1968年ロンドンで創刊されたシティガイド「Time Out」が手がける巨大フードコート。

ポルトガルの有名店が顔を揃えるとのことで行ってみようと決めていました。ハンバーガーやタコを食べ、ポルトガル産クラフトビールをがぶがぶ飲みました。

18:30 – 地元でも評判のスイーツを

マーケットからホテルに戻る道すがら、地元の人にも評判がよいというガトーショコラのお店「Landeau chocolate」へ。なんとガトーショコラ1種類のみというお店です。

しっとりしてるけどしっとりしすぎず、苦くないけど甘くもなく、チョコレートの味がシンプルにダイレクトに伝わるケーキでした。マーケットでお腹いっぱいになったはずだったのに、ぺろっと。

19:00 – 圧倒的かわいいショップ

こちらは世界最古の本屋としてギネスブックに認定されている書店「Bertrand」。

そして次に訪れたのが、ポルトガルを代表するといっても過言ではないライフスタイルショップ「A VIDA PORTUGUESA」のChiado Ⅰ店。

もうね、ここに住める、住みたい……!

滞在したホテルの朝食ルームにあった装飾品たちも、このショップから選ばれていました。

セレクトされた物それぞれのクオリティは言うまでもなく、ショップとしての調和が完璧でした。ディスプレイ、ライティング、動線、すべてのバランスが完成された空間で見事。

そんなに広くはないお店だけど、空間に感動して30分ぐらいうなったり眺めたりと感動しきりでした。

「なんでこんなに惹かれるんだろう」と「こんなお店をやりたい」とを考え続けていたら時間があっという間で、それでもまだまだ名残り惜しかった……。

ハンドクリーム、ドアにかけるプレート、つばめの置き物、オリーブオイル、オリジナルトートなどを購入。

20:00 – 老舗ジェラート

Chiado駅のすぐ前にある「Santini Chiado」へ。この外観、かわいすぎる。天才だ……。

その日のラインアップは黒板に書いてありました。

21:00 – 夜行列車が出る駅へ

あっという間の1泊2日、再び夜行列車に乗って、マドリッドに向かいます。

鉄道関連で唯一の世界的デザイン賞を受賞した、リスボン最大のターミナル駅。夜空に白が美しく映えていました。

リスボン48時間を終えて

丸1日半を過ごしたリスボン、予想通りぜんぜん時間が足りませんでした。

3回目だし、すこしはリスボン愛も落ち着いただろうし、もっといたいけど旅程的にしかたない…と決めた1泊2日の滞在時間でしたが、見通しが甘かったです。

リスボンは心のホームなので、次は最初の滞在の2週間よりも長く暮らしてみたいな。

世界遺産シントラ、“太陽の海岸”を意味するコスタ・ド・ソルにあるリゾート地エストリルやカスカイス、ロカ岬などなどリスボン近郊にもまた行きたい場所がたくさんあるし、ナザレやポルトにもまた足をのばしたいと思っています。

素朴さ、自然体な感じ、街と自然、古さと新しさ、そのバランスが私にはちょうどよくて心地よくてホーム感がある国、ポルトガル。

遠いけどわざわざ行く甲斐がある国です。すでにまた行きたい……!