食べて揺られて恋をして(2019GW)

2019年のゴールデンウィークは、10連休を2日前倒ししてスペインとポルトガルに行ってきました。

海沿いの町で夜な夜なバルをめぐり、夜行列車に2回乗り、もう3度目の街なのに改めて好きを実感するという旅でした。

旅のテーマ

時は最も好きな5月、この時期の長期旅行はヨーロッパ一択!

日本からのフライト時間が長い一方、一度渡ってしまえば複数の国も移動できるので、7日間以上の旅期間がとれる場合はヨーロッパが常に第一候補です。

5月のヨーロッパはおおむね初夏で、寒すぎず暑すぎない爽やかな気候というのも大きなポイント。

ほぼ毎年、ゴールデンウィークはヨーロッパへ行っています。

今年のテーマは「食べて揺られて恋をして」。

今回は、バルセロナ・サンセバスチャン・リスボンの2か国3都市へ。

この3つの街に決まった経緯は……

・今年は冒険よりリフレッシュの気分
・大都市よりこぢんまり
・シティかリゾートかならシティだけどリゾート感もほしい
・太陽感もほしい
・おいしいものに埋もれたい
・日本ではほぼ乗れない夜行寝台列車に乗りたい

というわがままを詰め込んだ結果、シティながらビーチもあるバルセロナ、世界一の美食の町といわれるサンセバスチャン、首都とは思えないほどこぢんまりしながら街も自然も備わるリスボンという3都市巡りになりました。

バルセロナin・マドリッドout、宿泊の内訳はバルセロナに2泊、サンセバスチャンに3泊、リスボンに1泊(マドリッドは素通り)に。

 

今回の旅のつくりかた

日本発着の航空券、3都市のホテル計6泊、寝台列車2回、スペイン国内線1回は、すべて別々に予約。価格や費用対効果を比較リサーチしながら、公式サイトやOTAでそれぞれ予約しました。

移動と宿泊を合わせた合計金額は、1名あたり268,565円。

内訳は…

・日本発着航空券:119,175円
・現地移動(国内線1回、夜行寝台列車2回):52,331円
・ホテル6泊:97,058円

現地移動は、あえての夜行寝台列車を利用。夕暮れ時から暗闇になるまで、列車が動きながら日が沈む様子を眺められる時間が贅沢で大好きで、ヨーロッパでは必ず夜行寝台列車を求めてルートを決めるほど。

日本と比較すると、夜行列車が運行しているルートもまだ多いヨーロッパ。夜行列車好きとしては、行きたい街と街を結ぶ区間に夜行列車が運行しているかをくまなく調べ、夜行列車を中心にルートを組み立てています。

ヨーロッパでは、国内間の移動も国境を超える移動も、LCCやバスが日本以上に発達しています。その影響で夜行列車は今や路線や本数も少なく、鉄道好きの人の趣味のようなレトロな存在に。そのため料金は、LCCやバスと比較して2〜3倍。(余談ですが、日本でも同じ現象が起きています。定期運行している夜行寝台列車はサンライズ出雲とサンライズ瀬戸のみ、もはや絶滅寸前……。)

今回は現地で3回街を移動。それぞれ出発の1〜2週間ほどまえに予約をしたので、料金は高くなってしまいました。3回の移動をLCCにして、出発数か月前に予約していたら、現地移動費は半額以下でおさまっていたと思います。

 

航空券

例年ゴールデンウィークの旅行は2月上旬に予約することが多いのですが、2019年は10連休で需要が高まることを見越して、前倒しで9月頃から検索開始。

2018年は12万円程度だったので、2019年も当初は予算15万円前後で見積もり。ところが調べてみると、移動時間はかかるけどリーズナブルな中東系エアラインでも18万円ぐらいで、高いなーと迷っていました。

すると1月上旬、しつこく検索していたらイベリア航空のバグに遭遇。復路のマドリッドから成田への直行便の片道が1万円、諸税含めても3万円台というありえない価格を発見し、即予約したのでした。

往路の成田〜バルセロナは、時間と料金のバランスが良いアシアナ航空で。

それぞれ公式サイトが最安値だったので、片道ずつ購入しました。

往路:成田→バルセロナ 86,420円(アシアナ航空、ソウル経由)

ソウル経由、愛用しています。ヨーロッパに行く際は第一候補といってもよいぐらい。
・朝出発して夕方にヨーロッパ到着
・フライト時間、乗継ぎ時間、航空券代が好バランス
・ソウルまではあっという間、ソウルで気分転換できる
・乗継ぎが2時間ぐらいで長すぎず短すぎず
・韓国グルメを食べられる
・韓国コスメを買える

復路:マドリッド→成田 32,775円(イベリア航空直行便)
初めてのイベリア航空。個人モニターも日本語対応でした。

往復で1名あたり合計119,175円でした。

 

ホテル

バルセロナ、サンセバスチャン、リスボンとそれぞれ違うところで予約。バルセロナはAgoda、サンセバスチャンは公式サイト、リスボンも公式サイトにて。(探し方や感想は、各ホテルの記事にて)

・バルセロナ2泊:1室48,732円(1泊1名12,183円)
・サンセバスチャン3泊:1室115,062円(1泊1名19,177円)
・リスボン1泊1室:30,323円(1泊1名15,162円)

宿泊6泊 合計1室194,117円(1名あたり97,058円)

 

現地の移動

バルセロナ→サンセバスチャン

寝台列車は運行していないため、当初は高速列車での移動を想定。ところが出発2週間をきったあたりで実際に調べたところ、6時間かかることがわかり、それはさすがに時間がかかりすぎる……と急遽飛行機に変更。

飛行機利用の場合、バルセロナ中心部から空港までが約40分、空港での待ち時間が1時間30分、バルセロナからサンセバスチャンのフライト時間が1時間30分、サンセバスチャン空港からホテルまで40分と見ると、トータルで4時間半ほど。微妙ですが、飛行機の方が早いのです。

バルセロナ中心部からサンセバスチャンのホテルまでのドアtoドアが、高速列車だと9:30-16:30、飛行機だと13:00-17:30。飛行機にすればバルセロナでランチが食べられることもあり、飛行機にしました。

Vuelingというスペインの航空会社(LCC)が飛んでいます。

旅行を決めたタイミング(出発3か月ちょっと前)に買えば5,000円ぐらいだったのに、出発2週間ぐらい前に決めたので17,414円に……(LCCの航空券は基本的に早く買えば買うほど安い仕組み)。

 

サンセバスチャン→リスボン

大好きな寝台列車。日本でもはやほぼできない体験を、異国の地で国境を越えて楽しめるってすごいですよね。

寝ている間に移動できるので時間的にも効率がよく、価格敵にも宿泊と飛行機代の合算と比較して同じぐらいと考えると、寝台列車の費用対効果は高いなと思います。

トイレもシャワーもある2人用の個室を利用しました。個室1室、2名で31,469円( 1名あたり15,734円)。

日の入りが20時半頃のため、出発時刻19時だと外はまだ明るく、暗くなりゆく様子を部屋から眺めるのは最高の贅沢!

バスクチーズケーキ、ビールや水を買い込んで乗り、個室でゆっくりできました。

乗車時は並び席でしたが、しばらくすると車掌さんがまわってきて2段ベッドをつくってくれます。手際がよくてものの数分でベッドが現れる様子は何度見ても飽きない。動画を撮ろうと思った時にはもうベッドが完成していました。

 

リスボン→マドリッド

こちらも寝台列車を利用。同じくシャワーとトイレ付きの個室にしました。個室1室、2名で38,366円(1名あたり19,183円)でした。

出発が22時頃だったので、個室に入るとすでに2段ベッドになっていました。

旅を思い出しながら食堂車でひとり飲みデビュー。ビール1杯のはずが赤ワインミニボトルまでいってしまうほど、居心地がよかったです。

同じ場所を目指す旅人だけが集う場所って、同志のような安心感とそれぞれが過ごしている人生とを垣間見えるんですよね。その独特の雰囲気が好きです。

 

それぞれの街の過ごし方

バルセロナ

私は4回目、同行者と一緒に来るのも2回目のバルセロナ。サグラダファミリア、カサミラ、カサバトリョなどの有名どころはひと通り訪問済みです。

今回は実質1日だけだったので、「食とグエル公園とビーチに行ければな~」というゆるさでした。

結果、お目当てのバル2箇所とビーチへ寄って、肝心のグエル公園は定員到達による売り切れで入れなかったのですが、バルセロナという街にいられただけでハッピー。バルセロナは、新卒で働いた会社を辞めた後にバックパックひとつで行った2か月の長期放浪のはじめの街で、思い出がありすぎる。

 

サンセバスチャン

今回のこのGW旅の最大の目的地が、サンセバスチャン。

サンセバスチャンは私にとってちょっとした思い出の場所。

大学卒業後に働いていた場所を離れた後、ひとりでヨーロッパとアジアを放浪した時期があり、その時に訪れた街のひとつがサンセバスチャン。

マドリッドで出会った女の子となりゆきで訪れ、バルをはしごして夜中まで飲んだくれた数日のあのはじけるような自由と楽しさが、放浪のハイライトとしてすごく残っていて。

サンセバスチャンを大好きになり、酔っぱらいながら街の中心にあるビーチの目の前に建つ高級ホテルを見上げて、「次に来る時は好きな人とこのホテルに泊まりたいな」と思ったんです。

「ぜったいに戻ってこられるように、これからがんばろう」と、新たな思いを抱いた象徴のような場所でした。

だから今回、当時のその夢を叶えることができて、当時の「これからの人生どうなっていくのだろう」という心細さをやっと埋葬できた気がしました。見上げていたホテルのバルコニーから海を眺めて、泣きそうに。

そんな裏テーマはさておき、サンセバスチャンを選んだ理由は【美食バル巡り】、これに尽きます。

街をあげて料理のノウハウを共有し合った結果、街全体のグルメのレベルが著しく向上し、今や人口あたりのミシュラン星獲得店数が世界一という、世界有数の美食の街に。

サンセバスチャン自体は世田谷区ほどの広さで、そのうち旧市街はおそらく200m四方ほど。

この旧市街エリアにバルが100軒以上密集。サンセバスチャン発祥のピンチョス(串に指されたフィンガーフード)が、どのバルにもところ狭しと並んでいます。

この街では、昼も夜もバルをはしごするのがとにかく楽しい!

1バルにつき1杯1-2品、長居せずに30分ぐらいで次々とバルを移動していくのが、この街の粋。

私のたどったルートは、街図鑑「サンセバスチャン_美食ホッピングリゾート」にて。

とにかくバル巡りにすべての精力を傾けました。

 

リスボン

リスボンも、放浪当時2週間滞在した思い出深い街。ひとつの街で2週間過ごしたのは、あのヨーロッパ放浪では最長でした。リスボンは、ただただあてもなく行き先も決めず地図も見ずに歩き回ることが楽しかった街。坂の上と下では景色がまるでちがって、昼と夜では路地の顔がまるでちがって、街の多面性に取り憑かれていました。

サンセバスチャン同様、どうしても好きな人とこの街を共有したかったんです。

今回はスペインまで来るので、隣のポルトガルまで足を延ばすことに。隣といっても距離はだいぶあるのですが、ポルトガルは直行便も飛んでいないし、だいぶ西に位置するしで、ほかのヨーロッパのついでにとはなかなかいかない立地なので、スペインまで来たら行かないわけには、、とリスボン好きの血が騒いだのでした。

丸2日しか滞在できず物足りなさこの上なかった今回の滞在。それでも、ケーブルカー、トラム、川を眺めてぼんやり、ポルトガル料理、裏路地歩きなど、共有したかったリスボンはざっと巡れました。

「今まで行ったなかでどこがいちばんよかった?」という質問をよく受けるのですが、その時の気分によって順位が入れ替わるもののリスボンはトップ5ははずさない殿堂入りの街。

こんなラブリーな街ほかにあるのだろうか、と当時も思ったし、今回訪れてもやっぱり思いました。口をひらけば「かわいい」が飛び出し、「かわいい」以外のワードが出てこなさすぎて、かわいい禁止令が出るほどにかわいかったです。

こちらも街図鑑「リスボン_絵に描いたようなかわいいが詰まっている街」にまとめています。

 

まとめ

8泊10日で3都市、この規模感が私のGWヨーロッパの定番です。

2都市におさえれば現地での移動が1回で済んで疲れもぐっと減らせるんですけどね……せっかくヨーロッパまで足を延ばすんだからとよくばり気質が顔を出し、ついつい3都市にしてしまいます。

2018年のGWはこちらにまとめています。