財布ひとつでさくっと気分転換したい

気分:閉塞感と鬱屈

海外はおろか、国内でも大手を振るって「さあ旅行!」とはいきづらい今日この頃。

日々の安寧(にせざるをえない)暮らしをハーゲンダッツや入浴剤で彩りながら過ごしていても、ますます旅の効果効能を恋しく思ってしまう現象、旅好きあるあるではないでしょうか?

「 遠くに行けない、それはもうしかたがない。でもどこか行きたい。旅がない人生は苦痛だ。となると、今だからこそ、東京暮らしゆえ、のあえての東京満喫の時なのかも?たしかにメトロポリタン東京を知っているかというとうんとも言い切れないかも……?」

そんな風に思った時の提案です。

症状:旅への渇望

旅のことばかり考えてしまうーそれはまさしく禁断症状。

旅の効果は書ききれないほどあれど、それらを誘発する発動条件のひとつに物理的な移動があります。

移動が制限されることは行動範囲が制限されることに近しく、旅への気持ちがふくらむほどに現状とのギャップにますます鬱屈としてしまうもの。

場所や環境を変えると心身が元気になる転地効果が認められているように、場所や環境を変えられないと日常がくすんでいく、そんな感覚に襲われます。

 

解決策:点滴としてのTHE東京

県境をまたぐ、あるいは新幹線や飛行機に乗る、そんな“遠出”がいろいろな意味ではばかられる、そんな時だから、住んでいる街で旅人になってみる。それが最後の砦です。

東京にもたくさんのホテルがラグジュアリーからドミトリーまであります。

今回のテーマは「鬱屈、旅への衝動」の解消と禁断症状への応急措置。

いわゆる大都会東京らしい高層ビルや便利さではなく、「たしかに東京だけど東京っぽくない」の意外性を旅気分のドライバーとして活用します。

そこで向かうは、『ヒルトン東京お台場』。

 

近未来×オーシャンビュー

都心からモノレールで向かう、それ自体にまずほんのりワクワク。

地上でも地下でもない、空中を渡る乗り物、映画『ドラえもん のび太の結婚前夜』で未来の街に描かれている乗り物を彷彿とさせます。

ゆりかもめは中からの眺めの移り変わりが、日常からの離脱感と比例するのがたまりません。りんかい線よりも旅に出る趣きが感じられます。

ゆりかもめ『台場』駅を出ると目の前にそびえ立つホテル、それが『ヒルトン東京お台場』。

団体旅行が盛んだった頃の熱海のリゾートホテルのような外観です。

ちなみに現在の『ヒルトン東京お台場』、2015年までは『ホテル日航台場』として運営されていました。

『ヒルトン東京お台場』は、レストラン、バンケット、プール、スパ、453もの客室を備える大型ホテル。半円形の形状が海岸沿いに佇み、全客室と主要レストランからは海を望むことができます。

 

なぜお台場?

お台場、そこは目的がないとなかなか訪れる機会のないエリア。乗り換え駅にならず、途中下車もないため、「とりあえず渋谷」のように「とりあえずお台場」とはならない場所。だからこその、非日常感です。

マンションが建ち並ぶものの、郊外のような広大なイオンやファミレスが通り沿いに鎮座する光景は見られません。コンビニさえ、巨大施設のなかにおさまっているため、街の景観は無機質。

一方で、波打ち際もある砂浜と海岸が広がります。無機質なのに海、海なのに自然感なし、というこのギャップがお台場ならでは。日本全国広しといえど、この組み合わせはほかになさそうです。

そしてその海岸の先には、レインボーブリッジと東京タワーというTHE東京らしい景色。ブルックリン側から見たマンハッタンの景色をなぞらえられるひとこまです。

ほどよい距離、街中の雑踏とは無縁の静寂、生活感のなさ、突然の海岸、東京を象徴するタワーと橋、そんな”ここだけの風景”が揃う街がお台場なのです。

 

過ごし方

『ヒルトン東京お台場』での過ごし方は一択。

チェックインからチェックアウトまでホテルにこもることです。

中途半端に街へ出ることなく、21時間をホテルのさまざまな場所で過ごすことが最大効果をもたらします。ワーケーションもおすすめ。

客室選択のポイントはこれまたひとつ、レインボーブリッジ側を選ぶこと。

全客室がオーシャンビューですが、眺望はレインボーブリッジ方面と品川埠頭方面との2種類。東京らしいパノラマを楽しむには、レインボーブリッジ側が必須です。

レインボーブリッジ越しに東京タワーも望めるため、東京タワーが0:00に消灯する様子も客室でカウントダウンできます。

 

チェックイン後は客室のテラスで日常離脱

客室へ入ったら、まずはテラスに出てビールを1杯。日が高く明るいうちからビールのおいしさはそれだけで格別なのに、外、そして海を眺めながらとくれば、贅沢感もひとしお。

太陽を浴びながら、潮風を感じながら、東京なのに東京っぽくないロケーションで過ごすことで、日常感を失わせる時間です。

 

日の入り時間を調べてスパへ

予約の際、スパ利用が含まれているプランかどうかの確認は必須です。含まれていない場合でも、宿泊者料金を支払って利用可能です。

【施設入場料金】※2021年4月時点
■宿泊者:3,729円 / 子ども(0歳~15歳)1,865円
■ビジター:6,215円 / 子ども(0歳~15歳)3,108円

『庵スパ TOKYO』というテナントが、スパトリートメント・プール・屋外ジェットバス・フィットネスを運営しています。

このスパエリアが良い仕事してるんです……!

 

天井高くガラス張りで光と明るさを感じられる空間

3面がガラスで、晴れている昼間は太陽がさんさん。日光浴がたっぷりできます。中から見える海と屋内プール、両方の青がシンクロしてさわやか。

 

プールから直接出入りできる屋内ジャクジー

この配置、結構レアかと……!

屋内プールのすぐ近くにジェットバス、なかなかないんですよね。プールは温水とはいえ、ずっと入っているとひんやりしてくるので、そんな時にさっと移れる心遣いがうれしい。

 

2種類のサウナ

ドライサウナとアロマミストサウナが備わっています。ドライサウナは80度前後とそんなに温度が高くなく、かーっと暑くなるサウナを求めると物足りない感。そんな時に頼れるのがアロマミストサウナです。長くのんびりして潤う感覚に浸れます。

 

THE東京が目の前に広がる屋外ジェットバス

そして極めつけが屋外ジェットバス。そんなに広くないのですが、なんといってもここで味わうべくは東京の景色。東京タワー、レインボーブリッジ、海がどどんと見渡せます。この3つを同時に間近で見ながらジェットバスにぶくぶくされるロケーション、ほかにない気が。

屋外というだけで屋内では決して味わえないアドバンテージがあるんですよね。風に当たりながらの温水は入って入ればいるほどに浄化されるのではと思うほど。

理想の過ごし方は、3時間コース。

日の入り時刻の2時間前から日の入り後1時間、スパに入り浸ること。

まずはひと通り泳いで温まってサウナでぼーっとして1時間。

日の入り時刻の1時間前から日の入り後30分は、屋外ジェットバスに入ったり外気浴したりと空の移り変わりを眺める時間。

そのあとプールでひと泳ぎして再度サウナで温まって完了、という流れです。

アクアゾーンと空と風とを楽しみ尽くすとなると、3時間は必要でした。

 

夕食はホテルでも近場でも

ホテル内にもいくつかレストランはありますが、ホテル真横にあり徒歩3分ほどで行けるアクアシティ内にもチェーン系レストランが入っているので、好みで選べます。都心ほどホテル周辺の選択肢は多くないものの、ホテルで2食とるのも重いなーという時は外へ。自然に囲まれた旅館では叶わないライトな過ごし方ができるのも東京の恩恵のひとつです。

 

朝食はまぶしいほどのランドスケープを眺めながら

ロビー階である2階のレストラン『シースケープ テラス・ダイニング』は、レインボーブリッジが目の前に見える特等席。

朝食は曜日を問わず6:30~10:30、8:00頃には窓側の席は埋まっていました。時期や人数にもよりますが、窓側希望の場合は早めもしくは1-2回転後がいいかもしれません。

 

禁断症状の救急措置は、近くて遠い東京で

せいぜい1時間だし、遠出とは言えないし、どこまでいってもメトロポリタンからは逃れられないけれど、それでも応急措置にはなりました。

見慣れた景色から離れつつ東京の便利さはそのままというリフレッシュにぴったりです。

 

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