大人のグルメリゾート・サンセバスチャン
サンセバスチャンは、スペイン北部バスク地方、フランスとの国境近くに位置する海辺の小さな街。ここ数年、人口あたりのミシュラン星獲得店が世界一多いことから“美食の街”として注目されています。
日本からの直行便はなく、スペイン国内の直行便もマドリッドとバルセロナのみ。熱海のような規模感です。
そんな小さな街ですが、2回訪れたことがあり数年後再訪したいとも思っているほど。
年を重ねるごとに楽しい童心に帰れる場所
サンセバスチャンの魅力は大人の休暇に必要な要素がおしなべて揃っていること。なぜ大人こそ楽しいのかなどの詳細は、こちらのサンセバスチャンの記事にまとめています。
今回はサンセバスチャンで滞在したホテルについて、おすすめ度95%の熱量でまとめていきます。
初めてのサンセバスチャン訪問は20代半ば。
終電で帰れたら幸せだと思うような激務生活を終えて、太陽が昇るとともに起きて沈むとともに家に帰る生活がしたくて向かったのがスペインでした。
当時2週間かけてスペインをぐるっと1周したなかで、帰国後もずっと“次の旅行先候補”として毎回挙がる街だったのが、サンセバスチャン。
こぢんまりしている規模感、すぐそばに広がる半月状のビーチ、ところ狭しと並ぶバルで誰もがほろ酔いで幸せそうに過ごす様子に、理想的な生活を垣間見て、それがずっと“大人のバカンス”として頭の片隅にありました。
小さな街なので暮らすと物足りないかもしれないなとは思いながら、ショートトリップのバカンス先としてウィッシュリストに載り続けること数年。
次に来る時はキャリアを築いた時と決め、お酒とビーチを一緒に楽しめる人とバカンスのために来ようと思い続けて数年、ようやく念願を叶えることができたのが、2019年のゴールデンウィークでした。
こんな風に念願叶っての再訪、しかも当時憧れた街いちばんの高級ホテルに宿泊してきました。そのホテルの魅力にフォーカスしてまとめていきます。
今回の旅の目的


一言で表すと「食べて祈って恋をして」ならぬ「食べて飲んで昼寝して」。
美食の街で朝から晩までおいしいものだけを食べて飲んで、ビーチを散歩して、食べて飲んで、昼寝して、食べて飲んで夕焼けに見蕩れて、食べて飲んで、そうしているうちに夜が更けていく…という時間を好きな人と過ごしたいなと思った時に最初に浮かんだのがサンセバスチャンでした。
今回の重視ポイント
観光度★★
目当てはバル。とにかくバル。
叡智の結晶をひとつひとつ味わいながら夜更けまではしごするのがやりたいことだったので、それ以外は「ここ行ってあそこ行って」という目当ては特になし。
ホテルステイ★★★★
グルメリゾートと表した通りグルメとリゾートを両方味わいたいと思った時に理想の旅行先としてマッチしたのがサンセバスチャン。
グルメも海もあるのがサンセバスチャンの最高すぎる魅力なので、その両方を叶えるリゾート、且つ海が見える部屋でゆったり3泊というのが最初から希望でした。
空港アクセス★★★
空港から市内へは恐らくフライトに合わせてバスが運行。基本バス一択なので今回は特に考慮ポイントにはならず。
観光アクセス★★★★★
バルのある旧市街と海に、朝も昼も夜もふらっと行けることが重要。
旧市街にはホテルがない(ホステルやバケーションレンタルの類は多少ある)のと、せっかく海沿いの街なので海の前に泊まりたいのとで、観光地へのアクセスよりは理想を叶えられるロケーションをポイントにしました。
今回のホテル探しの前提


バル巡りが目的だと、旧市街への距離がポイント。何軒もはしごして酔っぱらって帰るので、歩いて10分以内が理想です。
旧市街にはいわゆるホテルはなく、泊まるとしたらサービスアパートメント。サービスアパートメントはチェックイン時刻が早まったり遅くなったりした時にスムーズにいかなかったり、トイレが詰まってもすぐにヘルプを得られなかったり(経験済み)、限りなく自由に過ごしたい場合はホテルと比べ意外と難易度が高いんですよね。
今回は「暮らすように滞在する」よりも「大人になった暁に高級ホテルで大人っぽくバカンスを味わう」がコンセプトだったので、ホテル一択でした。
というわけで、「海の近くの高級ホテル」を前提条件としました。
選んだホテル


これらの条件を鑑みたうえで、改めてあの頃描いた“街いちばんの高級ホテル”を調べてみると記憶の通り申し分なかったので、『Hotel de Londres y de Inglaterra』(ホテル デ ロンドレス イ デ イングラテラ)に決定しました。
19世紀の建物とのことで外観は荘厳で重厚感があります。内装はリノベーションされていて、古さはまったく感じず。ガラス扉の旧式エレベーターがクラシカルでかわいかった。
このホテルに決めた理由


今回は長年の夢を叶えた形。
バックパッカーでスペインに2週間いた時にサンセバスチャンを訪れた時は、ホステルに泊まりました。オーストラリア人の女の子と一緒に飲みに行ったりとその時はホステルらしい体験ができていい思い出。
当時「また戻ってきたいな」と思った時、同時に「その時はサンセバスチャンを象徴するコンチャ湾のオーシャンフロント、そのなかでもこの街を代表する街一番の歴史あるホテルに泊まれたらいいな」までイメージしていました。
海沿いにはいくつかホテルがあるなかで、『Hotel de Londres y de Inglaterra』はビーチ沿いの起点となるロケーション且つ旧市街へ最も近い点も大きなポイントです。
部屋選びのポイント


せっかくこのホテルに泊まるなら、海の目の前というロケーションを享受しないととオーシャンビューの部屋を選ぶことは大前提。
部屋は少し広いClassic Sea Viewを予約。Sea View Petite Double Roomと迷ったのですが、結果的にClassic Sea View選んで正解でした。
ホテルは三角柱で、海側・街側・海と街の半々を望む先端部分の3方向に客室が配置されています。
オーシャンフロントを一度目にしてしまうと、街側に泊まるとこのホテルに泊まる良さは9割減だと断言できます。
少々値が張っても一生に一度と思ってオーシャンフロントを強くおすすめ!
チェックインして部屋に入った瞬間に目に飛び込む海は格別だし、朝起きた時も日が暮れる時も部屋でサングリアを飲む時も目の前は海というシチュエーションはラグジュアリー感を増幅します。
青い絨毯と海の色が合っていてクラシカルな雰囲気も素敵でした。
よかった点
オーシャンフロント
朝起きても日中も夕焼けも、どの瞬間も海と共に。
沈む夕日もばっちり。
バルコニーに椅子を置いて景色を楽しんでいる人もいました。
どこへ行くにも便利
ビーチの散歩、バルが集まる旧市街、ZARAやOYSHOやスーパー、空港からのバスが着くバス停、オンダビリエへのバス停、アンダイエからの列車が着くAmara-Donotstia駅、夜行列車が出るサンセバスチャン駅も10分圏内。
バルマップをもらえる
バルの種類、所在地に加えて、シグネチャーメニューが載っていて大いに活用!
ホテル1階のバーで海を見ながら1杯できる
このバーの海沿いの何席かは宿泊者専用になっていて、静かに落ち着いて過ごせました。
チェックイン時に1ドリンクチケットをもらい(公式サイトでの予約特典なのか定かではないです…)、チェックアウト後にランチに出た後に荷物を取りに行った時につかいました。
4月末は風が強く半袖では肌寒い時期だったので、海は見られるけど風はよけられるこのバーは最高でした。
気になった点
Classic Sea Viewはやや狭め
25-30平米なので、スーツケースを2つ広げる余裕はありませんでした。
サイドテーブルと1人掛けソファがあり、海辺に置いてぼーっと海を見るスペースはあり。
バスタブなし
バスタブ付きの部屋もあります。
海を見ながら入れるジャクジーを備えた部屋も。
その部屋を選ばなかったのは、恐らく海の見える時間にジャクジーに入る時間はそんなにとらないだろうなあ(なぜなら目当てがバルだから。バルは昼も夜も開いている。)と予想できたから。
確かにそこまで部屋で過ごすには至らなかったので、部屋選びに後悔はないものの、4月末は予想よりはるかに寒かったのでお風呂で温まれたらよかったな、という思いで挙げました。
絞り出してもこれぐらいしかない…。
大型ホテルはツアーで来る団体が利用するので好きではなく基本は選ばないのですが、このホテルは167室とそこそこの規模ながらロビーがこぢんまりしているせいか賑やかしくなくてよかったです。
総合評価
憧れの気持ちが現実になっても夢を壊すことなく、優雅な滞在ができて大満足。
目的のバル巡りにはもちろん便利、ブルー基調の清楚な部屋はコンパクトながら居心地が良く、なんといっても海の眺めが美しすぎて、満足度が高いホテルステイになりました。
サンセバスチャンに行くなら、初めてでも2回目でも3回目でも選んで間違いないホテル。親も満足するクラス感だし、カップルでも女子同士でもおすすめできる優等生です。
スペインらしさ ★★★☆☆
特にスペインを強調した仕立てとは感じませんでした。かといってホテルらしさがないというわけではなく、上品さや格式に重きを置きプライドを持っているなという印象。
隠れ家度 ★☆☆☆☆
街を代表する3本のホテルに入るので、隠れ家感はなし。品格と高級感が全面に漂う王道タイプ。
満足度 ★★★★★
イメージしていた“街いちばんのホテルでのバカンス”を想像通り叶えてくれました。海まで1分というロケーションは、アクセスの良さ以上に清涼感と開放感が抜群。安心して泊まれるし、安心して誰にでもおすすめできます。