夏の暑さと疲れにまいった時

夏は暑さと疲れのダブルパンチ

暑さは急に押しかけてくるもの。

梅雨が明けないなと思い続けて1か月が経ち、ようやく明けたと思ったらいきなりの夏に面食らう、ということを毎年やっている気がします。

夏らしい夏は毎年約3か月だけなのでできるだけにがてだと思わないようにしているのですが、それでも着込めばしのげる冬と違ってリネンのワンピース1枚でも涼しくならない夏には絶望することも。

梅雨からの夏という気候の劇的な変わりように体が追いつかないうえに、暑さで体力を消耗するので、「ああだめだ……どこかで補給しなければ……」となるのは自然な流れ。

暑いからクーラーを効かせた部屋でかき氷食べよう、にはならず、「この暑さも疲れも吹き飛ばせるところへ行かないと」と思うものの、どこに行けば涼もとれてつかの間の清涼感を得られるんだろうなあと考えてる人に、夏の暑さと疲れを蒸発させる行き先を考えてみました。

暑さにまいっている時の旅先は?

疲れてるから温泉かな?と安易に考えた過去の私は、避暑地ではない場所に温泉目的の旅に行きました。

35度近い日に湧きたての露天風呂に入った結果、とにかく暑すぎてもはや何をしに来たのかわからなくなるという事態に……。

そこで実感したのが、夏の温泉はやみくもに目的にしてはいけないのだということ。

暑いなかで熱いお湯に入っても爽快感や解放感を私はあまり感じられず、むしろ暑さが2乗になってしまったことによるダメージの方が大きかったことを覚えています。

夏の温泉の楽しみ方

そこでわかった夏の温泉の楽しみ方は、2つのどちらかの条件を満たす必要があるということ。

  1. 涼しいところ×熱い温泉
  2. 夏の気候×冷たい温泉

行き先としては、1は高原や山の上、北海道や東北などの避暑地、2は冷泉が湧き加温なしで楽しめる温泉地となります。

2は今年初めてトライできたらいいなと思っていて未だ経験ならずなので、1の楽しみ方について。

私のおすすめは、標高が高く平均気温が20℃ぐらいの避暑地に行くこと。

到着して車や電車から降りた瞬間のひんやりする空気が最高すぎて、明らかに東京とは違う温度と湿度が一層ワープ感を演出します。

東京からだと群馬や栃木、長野などが比較的車や電車で行きやすい高地ですが、箱根や熱海と比べるとどうしても距離があるのがすこし難点。

ただ、時間をかけて行くだけあって、空気の軽さと別天地感をとみに味わえます。

夏に行って最高だった私的3大温泉

奥日光湯元温泉(栃木)

日光の中禅寺湖をさらに奥へと進むと到着するのが奥日光湯元温泉。

なんでも国民保養温泉地第一号指定の温泉地とのこと。

25軒ある宿泊処はどこも源泉かけ流し、循環なし、塩素剤不使用で自然湧出の温泉を楽しめるそうです。

ちなみに硫黄成分が日本で4番目に濃いのだとか。

宿泊したのは奥日光湯元温泉のなかでも300年以上前の江戸時代に創業した老舗中の老舗、『湯元板屋』。

旅館自体はラグジュアリーというわけではなく、老舗感がありながら手入れが行き届いていると感じるところでした。

なんといっても温泉がたまりません。

天気や時間帯によって色が変わるんです……!

アイスブルーだったり若草色だったり乳白色に近かったり。

お風呂に行く度に色が変わっていて、毎回楽しみでした。

万座温泉(群馬)

関東で最高の泉質と温泉マニアの友人に聞いていたのですが、距離があるのと高級ホテルがないのとでこれまで足を伸ばしたことがありませんでした。

去年あまりに疲れすぎて、人里離れた場所で濃い温泉にひたすら浸かってぼーっとしたいな…と思った時、温泉の濃さで選んだのが万座温泉。

初めて行った結果、今までなんで来なかったんだろう…と悔やみました。。。

日本有数の濃厚硫黄、豊富な湯量、どこも源泉かけ流し、乳白色。

標高が1,800mと高いので、同じような泉質の草津(標高1,200m前後)よりもさらにぐっと涼しいです。

雲上の温泉というふれこみなのですが、まさに雲を食べられます。

実際に私が行った時は天気が大荒れ、翌朝かろうじて雨はやんだなかで朝風呂したら、眼下に雲を見下ろすだけでなく目の前に雲がどんどん流れてきてずともくもくの雲を食べていました。

万座温泉のユニークな特徴は、混浴が多いこと。湯浴み着やバスタオル着用でカップルが一緒に楽しめます。

混浴自体は全国各地にあるのですが、湯浴み着やタオルの利用がNGという場所が多いんです。

せっかくの温泉を前に泣く泣くあきらめることもあるなかで、湯浴み着でもタオルでもOK、どちらも数百円でレンタル可能というのも良心的でいいなと思いました。

またぜったいに来たい来るぞと本気で思ってはいるのですが、唯一の懸念がハイクラスの宿がないこと。

友人に勧められた時、「あなたが耐えられる宿泊先がないと思う」と言われたので、選択肢に挙がってこなかったというのがあり、たしかに趣向を凝らした宿はないんですよね。

ちなみにその友人に「本当はもっといいお湯のところがあるけど、万座プリンスならなんとかいけるのでは」と言われたので選びましたが、創業が1960年で部屋も建物も年季が入っていてリゾート感は感じられませんでした。。

箱根とまではいかずとも熱海ぐらいバラエティがあれば、毎年夏に通うのになーと思っています。

雲仙温泉(長崎)

日本で初めて国立公園内の温泉保養地に指定された雲仙温泉は、あふれ出る強酸の湯で知られています。

標高700mの山のなかに位置し、山ならではのひんやり感が抜群。

温泉がぐつぐつと湧いていて湯煙がもくもくとしている光景は、温泉地感満載。

ここもお湯が素晴らしく…。

宿泊したホテル『山照 −別邸−』は、「薫風の湯」という露天風呂があります。

楕円形の湯に乳白色ともグリーンとも言える100%源泉が満ちている様子は、芸術的ですらあり。

サウナ、水風呂も備えていて、源泉が熱めなので水風呂と交互に入るがもう最高でした。

本館『福田屋』の内湯・外湯も利用できます。

内湯「白雲の湯」はぬるめと熱めで分かれているので長時間ぼーっとできます。

窓の立て付けが景色を額縁のようにふちどっていて、暮れゆく時間帯の移ろいをいつまででも眺めていられました。

『山照 −別邸−』は露天風呂付き客室が8室のみ、『福田屋』のプレミアム館という位置づけで、温泉も部屋もサービスも食事も最高of最高でした。

語ることが多すぎるので別でまとめます。

絶対にまた行く旅館。

これまで泊まってきた旅館のなかでベスト3には入る、出逢えてよかった宿です。

暑い夏の疲れへの処方は避暑地の温泉

水辺派の私ですが、高地のひんやり感を知ってしまうと高地のあの感覚を忘れられず。

暑い日の温泉はがまん大会になってしまうので、わざわざ時間をかけてでも山奥に行って涼しいところで温泉に浸かるのは体力と時間が揃ってこその贅沢といえます。

せっかく日本にいるからには、土地ごとに特徴が異なる温泉をその季節に合わせて選んでいく楽しみを身につけたいなと思っています。

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