「5連休」どこが最適か問題
夏、7-9月は仕事で新しい領域が増えて、夏休みも1日しかとらず(とれず、が正しい)にがむしゃらに働いた時、秋らしくなってきた頃に急に気持ちの糸が切れたことがあります。
夏のあいだずっと張り詰めていたことを自覚。自覚すると同時に疲れがどっと出て、「あ、だめ…これは切り替えないとちょっとおなじようには続かないぞ…」と心身ともに危険信号が灯ったことを覚えています。
その時は月曜から金曜までまるっと休みをとって、5泊7日で天国がかたちになったリゾートへ行きました(最高だった)。
そして思ったのが、すくなくとも5連休がないと、休息とリフレッシュとチャージの一連の流れはまわせないということ。
でも、なかなか平日5日間べたで休むのは現実的じゃないですよね。
土日を含めて5連休、が現実的な落としどころ、という人も多いのではと推測します。
さて5連休がとれることになったいざその時、
「どこがいいんだろう?」
「どこまで行けるんだろう?」
という漠然とした疑問や、
「バンコクとシンガポールだったらどっちがいいんだろう?」
「今の時期、プールも入れるリゾートだったらどこなんだろう?」
のようにもうすこし具体的な考えを抱いたことはありませんか?
行き先をどこにするかは別として、5日間ツアーを検索することはポータルサイトや旅行会社のサイトでもできます。
でも肝心の、「なぜそこが今の自分にフィットするのか」を説明してくれるところはないんですよね。
商品のスペックの話か、行き先の気候や名所の話に終始していませんか?
結局、「5連休どこが最適か問題」を解決する術がないと感じています。
5日間で旅する時にまず考えること
そんな風に途方に暮れたことは、一度や二度ではありません。だからおなじように困る人の参考にまとめてみることにしました。
まず、旅先を選ぶ時に最初に考えるべきポイントは【季節】。
5日間という日数制限を一旦無視して旅先を考えると、観光に適したベストシーズンという観点ではざっくり以下です。
・4-9月:ヨーロッパ、アメリカ(ハワイ含む)
・10-3月:東南アジア
4-9月の東南アジアは基本的に暑季や雨季のエリアが多いため、旅先でのハードルがやや上がります。
(とにかく熱帯の暑さはなめてはだめです……暑くてぐったりするだけならまだしも、暑さと冷房とのギャップに体調くずすことも……)
逆に10-3月の欧米は冬なので寒い(≒荷物が増える)うえに日が短いため、オーロラやクリスマスマーケットなど冬の風物詩が目的の場合を除いては積極的に選ぶ必要はないかなと思っています。
なるべくなら、観光に適しているとされる“ベストシーズン”に行くと最大限楽しめる可能性が高いです。
(なにをもってして“ベストシーズン”とするかは目的によって異なります。たとえばオーロラやダイビングなどいわゆる“ベスト”にはあてはまらないものもあります。)
つまり旅行する予定の時、旅先の季節が何にあたるかは、忘れがちですが真っ先に気にすべきポイントといえます。
(昔、ハワイは年中温暖だと思い込んでいて、2月に行ったらふつうに寒くてアラモアナに長袖買いに行きました…)
5日間でどこまで行けるか?
5日間でどのエリアまでを選択肢とするかは体力や忍耐力など基準はそれぞれですが、はずせないポイントは3つにしぼられます。
- 直行便
- フライト時間8時間以内
- 現地滞在時間が丸3日以上
それぞれの理由はというと…
- 直行便
→5日間という限られた時間では、乗り継ぎの手間が惜しい…。乗り継ぎの場合、乗り継ぎ時間が最低でも1時間30分は余計にかかるので、その時間がもったいない。
- フライト時間8時間以内
→これ以上遠くなると、移動時間>滞在時間になってしまう。ニューヨークやパリでの1都市滞在であれば、3泊5日も無理ではないし実際に行ったこともありますが、やはり移動時間と滞在時間の差が割に合わないと思いました。。あと単純に時差がきつい…。
- 現地滞在時間が丸3日以上
→直行便且つフライト時間が8時間以内でも、往路出発が1日目の夜、復路出発が4日目の夜(=5日目の朝帰国)の組み合わせでは、5日間をフルにつかうことができない。
ベストシーズンと3つの点を併せて鑑みると、「5日間で旅するなら10-3月に」となるのですが、そうすると5連休の旅先は自然としぼられてくるんですよね。
行ったことがあるなかで条件に合う都市をおすすめ順に挙げると…
- バンコク(タイ)7時間10分
- ホーチミン(ベトナム)6時間50分
- ホノルル(ハワイ)6時間40分
- ダナン(ベトナム)6時間25分
- クアラルンプール(マレーシア)7時間50分
- シンガポール 7時間40分
- バリ島(インドネシア)7時間40分
※()内は成田からのフライト時間
※韓国・台湾・香港は3日間でも行けるので除外
※グアムとヤンゴンとマニラは行ったことがないため、セブ島は旅慣れているはずの身でも治安に不安を感じたのと食がきつく個人的にはおすすめしないため、除外
3つの条件よりも、もっと重視すべきは…
旅先候補をしぼるにあたり挙げた3つの条件は、「直行便」「8時間以内のフライト」「丸3日以上の現地滞在」。
実はおすすめの順番を決めるにあたって加味した条件がもう1つあります。
それは【フライト本数】。
フライトの本数が多ければ多いほど、組み合わせられるフライトパターンが増えます。
そして複数の航空会社が就航しているほど、価格競争が働くため、料金がリーズナブルになる傾向が強いです。LCCが飛んでいればなおのこと。
上記で挙げた都市それぞれの直行便の本数はというと
- バンコク(タイ) 7時間10分・1日20便
- ホーチミン(ベトナム) 6時間50分・1日2便
- ホノルル(ハワイ) 6時間40分・1日12便
- ダナン(ベトナム) 6時間25分・1日1便
- クアラルンプール(マレーシア) 7時間50分・1日5便
- シンガポール 7時間40分・1日14便
- バリ島(インドネシア) 7時間40分・1日1便
※2019年1月時点
フライト本数では、圧倒的にバンコク!次いでシンガポール、ホノルルです。
バンコクはLCCがエアアジアとスクートの2社就航。フルサービスキャリアもJAL・ANA・タイ国際航空の3社が飛んでいます。加えて羽田も成田もあるので、選択肢の豊富さは一強。
仕事帰りに羽田からも行くことができたり、価格をおさえてLCCをつかっても滞在時間がそれなりに確保できたりと、日数が限られている以上選択肢の多さは強い味方になります。
シンガポールも成田・羽田ともに便数が多いのですが、バンコクとの違いは直行便のLCCが飛んでいないこと。
ホノルルも、バンコクとシンガポール同様成田・羽田のどちらも飛んでいるのですが、羽田が2便だけと弱いのと、LCCがないことが大きな違いです。
目的別・各都市のススメ
この7都市、ぜんぶちがってぜんぶよい、です。
気分別・目的別に向き不向きはわりとはっきりしているので、簡単にまとめてみます。
バンコク(タイ)シティ
【グルメ】◎
タイ料理も多国籍も、高級もB級も、なんでもおいしい
【ショッピング】◎
ハイブランドが入るデパートも巨大マーケットもある。
【スパ】◎
ラグジュアリーホテルスパから1時間500円のフットマッサージまで。
【物価】◎
コンビニでは東京の2分の1から3分の1。
ホテルも1人1泊1万円で5つ星に泊まれてコスパ良し。
高級レストランは日本とおなじぐらいするところも。
【人懐っこさ】◎
「怒るのは恥」という文化らしくおだやか。
【空港から中心部へのアクセス】◯
メインのスワンナプーム空港はタクシー、電車、バスが揃っている。ドンムアン空港は基本タクシー利用。市内までのタクシーでの移動時間が、スワンナプーム空港からは渋滞なしで45分ぐらい、ドンムアン空港からは30分ぐらい。渋滞時は倍ぐらいかかるのもざら。
【どんな気分に向いてる?】
好き放題やりたい時!
5つ星ホテルで寝坊して、朝食食べて、プールで泳いで、暑いうちはスパにこもって、涼しくなってきたら街歩きがてらデパート見て、おめかししてちょっといいレストラン行って、ルーフトップバーでカクテル飲んで、クラブっぽくなるバーに移動して夜更かしする。
元気がある時はグルメもショッピングもバーもはしごできるし、元気がない時はワットポーに癒されてチャオプラヤ川沿いでぼーっとしてスパで解毒するコースへ。
【なにを目的にする時に向いてる?】
発散、解放。
ストレスが溜まっている時って自分の自由にできないことが増えている時だと思うんです。
時間もお金も体力も、心おきなく自分のしたいようにできる選択肢の種類と幅がめちゃくちゃ広いので、ストレス発散と欲望の爆発に向いてる街、それがバンコク。
個人的に懐の深さはダントツNo.1!!!単純に私がタイフリークということを差し引いても、これだけバランスのとれた場所は広い世界でもそうないのでは!?!?と思う。ゆるーい国なので、なんでもできるし、観光客が世界一多い都市なので観光客にも慣れてるしで、
タイ好きすぎて語りだすと止まりません。
ホーチミン(ベトナム)シティ
【グルメ】◎
ベトナム料理は言うまでもなく、フランス料理もおいしく、フュージョンも楽しめる。
ヘルシーなのがうれしい。
【ショッピング】◯
雑貨がかわいい。ローカルのショップや市場でこまごまと買い物するのは楽しい。
【スパ】◯
そこそこ揃うものの、バラエティとクオリティはバンコクの方が多彩かな。
【物価】◎
ごはんも雑貨もとってもリーズナブル。
【人懐っこさ】×
初めての東南アジアがベトナムだったのですが、市場やタクシーの愛想のなさと強気とに心折れました。。高級ホテルやレストランでもタイほどのあたたかさはないかな。
【空港から中心部へのアクセス】△
タクシー一択。料金は安いけれどぼったくりの心配が常にある。
【どんな気分に向いてる?】
コンクリートの無機質さはなくノスタルジックで特有の建築があってバイクがたくさん走ってて…というTHEアジアの喧騒を求める時はホーチミン!
自分もたくましくいないと旅を楽しめないから、思ったことを外に出し続けると自然とストレスが解消されるという点で、ストレス解消にも向いているかも。
【なにを目的にする時に向いてる?】
これほど西洋とアジアの融合が今も残っている街はほかにほとんどないのでは、と思うのと、フレンチとベトナミーズの塩梅が絶妙なので、建築とグルメ好きにはたまらないと思う。
ホノルル(ハワイ)
【グルメ】◯
昔からある老舗レストランも新しいスポットも幅はありますが、手軽で手頃な料理はハンバーガーやプレートなどのアメリカンフードが中心。アヒポキなやサイミンなどハワイアンフードもあるものの、、、というのが個人的な感想です。(アジアを知っているせいもあって)料金と味が見合うとあまり思えない。
【ショッピング】△
高級デパートや免税店はありますが、ハワイじゃなくても、という感じ。ショッピングするならアメリカブランドを。
【スパ】△
ハワイではぜひロミロミを。だが決して安くはない。
【物価】×
ハワイは離島で輸送費がかかるため物価は高い。ニューヨーク以上との調査も。
【人懐っこさ】◯
これだけ観光客だらけなのに、ハワイの人の感じのよさは感嘆の域。
【空港から中心部へのアクセス】△
バスもあるけれどスーツケースが持ち込めず、現実的にはタクシーかレンタカー。
【どんな気分に向いてる?】
基本的に治安もよく、ぼったくりの心配もなく、安心して開放感に浸れるのがハワイ。あれこれ考えずにただ太陽と風と海に身をまかせつつ、気力が回復したらショッピングにも、という時はハワイ。
【なにを目的にする時に向いてる?】
ハワイはトータルバランスが優れていて満遍なくいろんなニーズに応えてくれる。なので、「これがしたい!」はないけれどリゾート行きたいなーという時はだいたいハワイでOK。
ダナン(ベトナム)
【グルメ】◎
ホーチミンとはまたちがう中部料理。シーフードも。
【ショッピング】×
高級デパートの類はない。
【スパ】○
ホテルのスパがサービスもクオリティも安心。
【物価】○
リゾートのためベトナムのなかではおそらく高い方だけれど、総じてリーズナブル。
【人懐っこさ】×
ベトナム人に求めるものではない。
【空港から中心部へのアクセス】△
公共交通機関はないけれど、タクシーでも10分ほどで到着するリゾートも。
【どんな気分に向いてる?】
アジアのなかで直行便で行けるリゾートは実はダナンとセブ島とバリ島ぐらい。
セブ島に比べてごはんがおいしくて、バリ島ほどリゾート開発されすぎていないという点でダナンは“手軽にリゾート”にマッチする場所。
【なにを目的にする時に向いてる?】
大規模な繁華街はないので、あくまでメインはビーチとホテルステイ。“さくっとリゾート”に向いているのがダナン。リゾートに飽きたら世界遺産のホイアンにも1時間ぐらいで行ける。
クアラルンプール(マレーシア)
【グルメ】◯
中華、マレー、ニョニャ(中華とマレーのフュージョン)、エスニックと、バリエーション豊富。ラクサ(ヌードル)、カヤトーストなど、特有のメニューも。
【ショッピング】◯
高級デパートもあるし巨大ショッピングセンターもあるし事足りる。
【スパ】◯
高級ブランドスパも街スパもピンからキリまで揃っているので、気分に合わせて選べる。
【物価】△
基本的な物価は安いのだけど、難点がアルコールが高めなこと。
【人懐っこさ】◯
とりたてて嫌な思いをしたこともないけど、特に感激した思いもないというのが個人的な感想。
【空港から中心部へのアクセス】◯
電車でアクセスできるので気楽。でも空港から中心部が意外と離れていて1時間弱かかる。
【どんな気分に向いてる?】
多民族国家なのでいろんな味やいろんな雰囲気を一度に味わえるのがクアラルンプールの特徴。気の向くままにテイストを味見したい時に。
あとはラグジュアリーホテル体験ならクアラルンプールが最強。
日本では1泊1室5万円以上するラグジュアリーホテル(マンダリン、シャングリラ、リッツなど)が1泊1室2万円弱で泊まれるので、ホテル天国といわれている。
【なにを目的にする時に向いてる?】
たとえばパクチーがにがてでタイやベトナムを敬遠する人でも、マレーシアはグルメの選択肢が豊富。
あとはおなじくLCCが飛んでいるバンコクと比べると旅費が安いので、思い立ってちょっと遠出感覚で行けるけど海外感が強いという観点ではクアラルンプールは強い。
シンガポール
【グルメ】△
チリクラブなどのメニューも、ホーカーズという屋台村も、シンガポールらしさは存在するものの、まわりの東南アジアの国と比べて「ここじゃないと」は薄い。
【ショッピング】△
高級デパートもあるし目抜き通りなんて東京みたいだけど、いかんせん物価が高い…。
【スパ】△
こちらも選択肢はあるけれど、いかんせん物価が…。
【物価】×
アジアとは思えぬ高価格。
【人懐っこさ】△
特に愛想やおもてなしを感じることはないけれど、英語が通じるのが便利。
【空港から中心部へのアクセス】◯
MRT、バス、タクシーが揃っていて、30分もあれば中心部という距離もうれしい。
【どんな気分に向いてる?】
なんだろう…東京に近いので、安心できるシティ感はだんとつであるかもしれない。
【なにを目的にする時に向いてる?】
なんだろう…マリーナベイサンズのプール?(このプールは最高。宿泊してでも行ってみる価値はある。)
バリ島(インドネシア)
【グルメ】◯
ナシゴレンやミーゴレンなど、インドネシア料理は辛くなくて日本人の口に合う。
【ショッピング】◯
主に雑貨やインテリア系やアート系を。
【スパ】◯
ピンキリだけど選べないぐらいに数も多い。
【物価】◯
リゾート地だけど日本人の物価の感覚からはいまだにまだまだ安い。
【人懐っこさ】◯
バリ島の人、観光客に飽き飽きしているかもしれないけどだいたいおだやかで人懐っこい。
【空港から中心部へのアクセス】×
タクシーで。
【どんな気分に向いてる?】
ひとくちにバリ島といっても、エリアによって雰囲気がぜんぜんちがう。
高級リゾートが建ち並んでいる観光客専用のようなヌサドゥア、雑多なローカル感のあるクタ、むせるぐらいの緑がまぶしいウブドなど、予算やビーチ/森などの好みに応える度量の深さがある。
直行で日本人も多くてある程度観光客に慣れていてインフラも整っているリゾートだったら、バリ島かな。
【なにを目的にする時に向いてる?】
バリ島に行く時は、まずなによりもホテルから旅をつくってほしい。ホテル自体、ホテルの場所によって、体験がまるで変わってくる。
結論:目的をはっきりさせるのが吉
楽しめるものやバランスが都市ごとに違ってそれぞれに魅力があるので、まずは自分が何をしたいか?をクリアにするのがフィットする旅を叶えるコツだなと思います。