1週間でビーチも文化も欲張りたいヨーロッパ旅なら

私が旅好きであることを知っている友人知人から、「どこがおすすめ?」という質問をよく受けます。

今回は、「アクティブに街歩きもしたいけどのんびりもできる街ってある?」という質問への回答を。

「アクティブに街歩きもしたいけどのんびりできる時間もほしい、でも…」

先日、ヨーロッパ旅行の相談を受けました。

「会社の夏休みをつかってヨーロッパに行こうと思ってるの。私は世界遺産とか好きだしせっかくならお買い物もしたいしシティ好きなんだけど、彼がシティだけだと疲れるんじゃない?って言ってて……。たしかに帰ってきたらすぐ仕事だし、私もリゾートな感じがあればベストかなーとは思ってはいるんだけど、シティとリゾートの2都市を移動するのも結構大変じゃない?どうしたらいいと思う?」

この気持ち、とてもとてもわかる……!私もまさにこのシチュエーションだらけ(というか毎回そう!)。

友人も私も会社員なので、1年に何度も長期で休むことはなかなかままならないのが現状。特にヨーロッパは、ここ数年では1年に1回、2週間弱行くのがやっとです。

なので、その1年でわずか1回だけのチャンスを最大限に活用するために、

・せっかく行くなら2か国以上
・シティだけでもなくビーチだけでもなく、いろんな顔を垣間見たい

というよくばりな気持ちが常にあります。

どちらもよくばれる方法がある

そんなよくばりな前提で計画している最近のヨーロッパ旅を振り返ってみると、ある共通点に気づきました。

それは、世界遺産もビーチも両方を楽しめる街を選んでいること。

歴史や文化を感じつつビーチでのんびりリラックスできる街、結構レアなんです。日本国内で考えてみても、パッと浮かぶのは沖縄ぐらい。

2か国周るにしても、1つの場所でシティ感もリゾート感も味わえるとその分都市数が減り、1か所で過ごせる時間を長くとることができます。

なので私の回答としては、長く休めないなかで「アクティブに街歩きもしたいけどのんびりできる時間もほしい」という時の正解は、街歩きもビーチも楽しめる“一石二鳥”な行き先を選ぶこと。

「限られた休みの間に文化を感じる街も楽しみたいしビーチでのんびりもしたい、でも移動が多いと疲れるんだよなー」という思いに応えてくれた街をまとめました。

【When】どの時期?
【Where】見どころはどこ?
【Who】だれと行くのに向いてる?
【What】何する?
【How】どうやって行く?
【Why】この街を選ぶ決め手は?

の項目別になっています。


ドブロヴニク(クロアチア)

リアル『魔女の宅急便』!!!この画を見たかった……。
赤茶色の屋根が連なる街はヨーロッパにわりとあるのですが、この海とセットの構図はほかにないんじゃないかなと思う。

このオレンジと紺碧のコントラスト…!城壁の上から、山頂から、ビーチから、どこから見ても完璧な調和。コンビニもファーストフードもない旧市街、なのに飽きない不思議。

【When】

5月末でもノースリーブで暑いぐらい。7〜8月は混雑必至なので、5〜6・9月の夏気候で空いてる時期がおすすめ。

【Where】

宿泊はぜひ旧市街に。ホテルはほとんどないのでAirbnbでどうぞ。倒壊後に再現されたとは思えない中世感。

【Who】

素朴な街をゆったり楽しめる間柄の人と。旧市街には朝までやっているお店やコンビニはなく、城壁と海だけでも同じペースで散策できる人とがよい。

【What】

旧市街をぐるっと周る城塞歩きとかエメラルドグリーンから紺碧にグラデーションしてる海を望むビーチとかロープウェーとか。

【How】

日本からだとどうしてもフライトが少なくて高いので、ハブ都市と組み合わせてヨーロッパ内はLCCで移動するのが良いかと。

【Why】

なんといってもキキが降り立った街。実際には複数の街がモデルになっているのですが、それでもリアルファンタジーはため息もの。高さ5mほどの壁に囲まれた小さな旧市街、城壁の上をわずか1時間ほどで一周できてしまうほど小さく、いわゆる観光名所は宮殿と修道院と薬局ぐらいなので、空気を楽しむ場所。


マルタ

ずるい。圧倒的なかっこよさと圧倒的な透明感とを兼ね備えている。人を寄せ付けないように設計されたヴァレッタ、船から見るとその存在感が圧巻。いざ歩くとアップダウンが激しすぎて日常生活が心配になるぐらい。

日帰りできるコミノ島のこの海の色は、他で見たことのない色だった。

あと絶対にムディーナへ!!!
5mは優にあろうかという石壁に囲まれた街で、そのせいなのか街自体が不思議な静寂に包まれています。あんな街は今までどこにもなかったな…。

【When】

GWでも日差しは夏。でも風は涼やか、海はまだ水風呂並み。6月下旬か9月上旬がベストな気がする。

【Where】

滞在は、ローカル感があるスリーマ、高級ホテルが並ぶセントジュアリアン、世界遺産ヴァレッタ、行き来しやすいので好みで。私はヴァレッタを外から眺めていたくて素に触れたくてスリーマに。ゴゾ島やムディーナへの日帰りトリップはどこからでも。

【Who】

街歩きも日帰りも体力要るので探検を楽しめる人と。

【What】

かつての首都ムディーナが最も衝撃だった。あんな街を他に知らない。ノー知識で軽い気持ちでぜひ。

【How】

中東系エアラインで近く安く行けるようになりました。ローマからの直行便が1日10便ぐらい飛んでて便利。

【Why】

これ以上ないぐらい強そうな世界遺産と、可憐な海と、猫と。ヨーロッパとイスラムとのメルト具合で二度おいしい感じ。


バルセロナ(スペイン)

バルセロナは、すべてが絶妙。シティとビーチのセット感・距離感が、ちょっと他にはない。碁盤の目で理路整然とした街並みにガウディの建築がなじんでいるって、ちょっと考えるとすごすぎる。異次元。そして色が生き生きしている。

実用とときめきの究極を行ってる街(だから好きは必然)。裏路地のバルをはしごしてサングリアを飲みながら酔いどれるのが最高。

【When】

6月か9月が気候最高!カラッとしていて抜ける風が爽快。GWでも日差しは強く、

【Where】

観光拠点としてはカタルーニャ広場やグラシア通りそばが便利。カサミラとカサバトリョに朝も昼も夜も見とれられる特権が手に入ります。

【Who】

ロマンチックさもポップさもある懐の深さなので、よくばりな人とよくばりに楽しんでほしい。芸術と食に興味ある人とぜひ。

【What】

ガウディ巡りだけでも3日じゃ足りない!入ったら最後、数時間経ってる…。市場、ビーチ、バル、ZARAなどファッションも。

【How】

リーズナブルなのは中東系。カタール航空快適。ヨーロッパ系ならフィンエアーが早くてコスパ◎(機内ムーミン!)。

【Why】

なんというか行かない理由がない街。人生で一度は行かないともったいないとさえ思う。空が広くて海が徒歩で行けて、100年以上前の建物が残ってて、風と太陽を感じる街。自然と街とのこれ以上の調和はないんじゃないかとすら。


リスボン(ポルトガル)

黄色のケーブルカー、坂道、パステルカラーの家々、はためく洗濯物、石畳…と、個人的好きが一番詰まった旧市街!私は好きすぎて2週間離れられなかった。

日本から最も遠いヨーロッパだけど、路面電車やカステラやエッグタルトなどおなじみのものがあって初めてでもどこか懐かしさを感じるノスタルジックな街。旧市街は首都とは思えないのどかさ。個性豊かでのびのびした街。

【When】

初夏6月か晩夏9月末がベスト。日差しは夏で、風は秋。ヨーロッパのなかで気候が安定していて物価もリーズナブルなため、ヨーロッパ内でも大人気のリスボン、夏はバカンスシーズンでより一層混雑が激しい。

【Where】

旧市街ぐるぐると、ベレンの塔やシントラの世界遺産の建築と、電車で30分ぐらいで行けるロイヤルリゾート・エストリルやカスカイスなどのビーチと、コンパクトにいろいろ周れるのが良さ。

【Who】

建物すれすれに通る路面電車や青空に映える洗濯物など、日常のささいなひとコマに楽しめるとすべてに興奮しきりな旅に。

【What】

小さな首都の住人気分で過ごす。目的を決めずケーブルカーに乗り、エッグタルトやシーフードを食べて、夜はファドを聴く。

【How】

直行便がないので、ヨーロッパ系か中東系エアラインで。

【Why】

スペインもイタリアもいろんな街へ行ってきたけど、リスボンはスペインともイタリアとも似ていない、独特の文化がある。歴史と生活感が一体化している街。まるで海かのようなテージョ川に面し、坂道、高台、路面電車、エッグタルト、シーフードが充実したポルトガル料理と、ここにしかない景色と文化がたくさん。

番外編

今はまだ世界遺産ではないけれど、近い将来世界遺産になる日も来そうな有望株を。

サントリーニ島(ギリシャ)

とにかくもう!ひたすらに!かわいい。真っ白の石畳と真っ白の壁がどこまでも続く街。こんな可憐な街が今も残っているのがすごい。

白と青の島は、どこもシャッター切る手が止まらない。紺碧の海とのコントラストが完璧すぎる。美とはこのこと。地図は見ずにとにかくひたすらに歩き回るのが楽しい。

【When】

6月〜7月前半まで(その後はバカンスシーズンとなり料金も高騰&激混み)が時期的にも旅費的にもベストシーズン。ちなみに11〜3月はクローズするホテルや店舗多し。

【Where】

当てともなく島まるごとぐるぐるすべし。高級リゾートがたくさんあるけど、私が泊まったのはイアの先端、夕日フォトで必ず映るリゾート。たどり着くまで遠いけど隔世感あって小規模で満足。

【Who】

恋人とどうぞ。恋人がムードに浸るための島です。

【What】

入り組んだ街を彷徨うだけで楽しい。写真とプールとビーチで1日があっという間。フォトセッションを依頼するのも思い出に。

【How】

私はアテネから飛行機で行ったけど、本当は船で行きたかった。白い島が迫る様子を時間をかけて見て味わい尽くしたい。

【Why】

ここにしかない景色。真っ白すぎてまぶしい世界に、紺碧のエーゲ海がどこまでも広がっている様子は圧巻。離島だから最先端のものは無くて、それがおとぎたらしめている。


カプリ島(イタリア)

なんか“夢の世界だ”って思った。

青の洞窟は、想像よりもはるかに青くてはるかに神秘的で、それが人の手が一切加わってない100%自然の産物ということが信じられなかった。青の洞窟の中で波に揺られた数分は、一生忘れないと思う。

【When】

夏シーズンはどの月もおしなべてぎゅうぎゅう。予約しないとナポリからカプリ島へ渡るボートにも乗れないかも。覚悟して行くしかない。でも6〜8月は入場率80%超と年間でも高め。

【Where】

青の洞窟、島に着くまでその日洞窟に行けるのかわからないので運試しになるけど、入れなかった時のためにトライできる数日をバッファとして持っておいてほしい…。

【Who】

本当に行きたい人と!わざわざ行っても入れない可能性も多分にあるので、それでも粘ったり諦めたりできる感覚のある人。

【What】

青の洞窟の島だけど、ピンクな街も可愛くて、ここで寝起きしたいって思わずにいられない。

【How】

ナポリから水中翼船で45分ほど。観光客の多い夏は事前の予約必須。酔い止めも忘れずに。

【Why】

幅2mの先に広がる青の世界。行った人だけの景色とはこのこと。言葉を失うし、写真を撮るのももどかしいぐらい、青を目に焼きつけるので精いっぱい。限られたわずか数分の体験だし、自分で好きなようにまわったりもできないし、島に着くまで洞窟に入れるかもわからないしで、日本からはるばる訪れる価値があるのかなと思うかもしれませんが、私はまちがいなく一生忘れられない体験になった。


よくばりなヨーロッパ旅の醍醐味

どの街も、その街らしい街並みと海辺という抜け感とが揃っていて、好きになるなという方がむずかしい街です。

どこも6月だとまだ海の水温が低くてひやっとするので、9月の方がおすすめです(海水温は2か月前の気温になるそうで、9月の方が海に入りやすい)。

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