コンビニ漬けや剥げたネイルからエスケープしたい

症状:忙しすぎてすべてが後手…気力が湧かない…

仕事に打ち込みがちな20-30代の働く女子、疲れを溜めて参りがち問題を我が身でも感じます。

つい最近の私の瀬戸際はこんな感じでした。

コンビニごはんに剥げたネイル、これが続くとまずい。頭ではわかっている。わかってはいるけど、仕事を終えたらネイルを直すよりも寝たい…。仕事は楽しくなくはないしまだ気力はあるけれど、これが続いたらさすがに病みそう…。

たとえば昇進して担当領域が増えた時の毎日はというと…

・To Doリストは常に5個以上、至急案件から“緊急度は低いが重要な事”まで順番待ち。
・どこか客観的に「ああそろそろきてるなあ」と感じながらも目の前にはさばいてもさばいても減らないタスクが山積み。
・ネイルを直す時間を見つけることを考える時間すらない、という状態。
・タスクをいかにこなすか以外の感情、たとえば「今日の夜はどうしようかな」「週末はカフェでも行ってあの本読もうかな」などの楽しみが湧いてこない。
・これが続くとまずいことは頭ではわかっているものの、現状は休みをとるのも難しいし…。

この5つすべてがあてはまっていました。2つでも危険信号な気がするのに5つって…!

そんな黄色信号の時、“強制離脱”により想像以上にリフレッシュできたので、そのエスケープをまとめていきます。

解決策:金曜半休でリトリート

忙しいながらもプロジェクトの終わりが見えていると「この日までは…」となんとか踏ん張りながら「終わったらぜったい休みとって海外行く…」と決意もできますが、常に120%フルスロットルだと息をつくタイミングもわからなくなりがち。

私は根を詰めると無意識のうちに全身に力が入っていて、気づくと全身ガチガチで、思考パターンもガチガチ、柔軟性や希望という概念が消失します…。

そんな時に「手軽に、でも劇的にリフレッシュする方法って何だろう?」と考えて実行したプランが素晴らしすぎたので、忙しすぎてすべてが後手で気力が湧かない激務女子におすすめです。

まずそんなに忙しいと調べて計画して…の時間的余裕も気持ち的余裕もないのが正直なところ。且つ、まるまる休むというのも、後の自分を想像すると怖くなるのでできれば半休ぐらいに抑えたいところ。

そこで私が選択したのが、金曜午後休からの東京都内1泊リトリートでした。

東京に住んでいるのにもったいないと思ってしまう(実際に私もそう思っていました)けれど、そこは「家があるのにホテルに泊まるとはなんて贅沢…」に置き換えて。

都内なら移動時間もほぼかからないし、移動に体力をつかうこともなし。都内での1泊なら最低限、下着とメイク落としさえあればOK。何か必要だったらコンビニが助けてくれる、そう割り切ってしまいましょう。

金曜半休の最大公約数的つかいかた

その金曜午後休リトリートでは、「どのホテルを選ぶか」が最大のポイント。

今回実際に宿泊したホテルが素敵だったのは言うまでもないのですが、意外と重要だったのが「素泊まりにしなかった」ことでした。

ホテルという空間はそれだけで非日常ですが、素泊まりでは完全な癒しは得られないなと感じます。なぜなら素泊まりだと、夕食と朝食のことを考えなくてはいけないから。

頭も体も休めるには、意思決定の回数を減らす必要があるので、ここはホテルに身を任せるのが得策です。

となるとベストは食事付き?

ですが、夜はフルコースで朝はブッフェの王道パターンは、胃腸が疲れて支障をきたす可能性が結構な確率で高いです。しかも決められた時間にレストランに行って、夕食で3時間弱、朝食で2時間弱を費やすことを想像すると、「一旦仕事を忘れて好きなように過ごしたいのになんだか拘束時間が長いような…?」と私は思えてきてしまい…。

そこで最適解は、ラウンジを利用できるプラン。

主張してこないけれど耳になじむちょうどよい音楽や、うるさすぎず静かすぎない適度な話し声、好きな時に好きなものを選べる飲み物と軽食、窓から見える普段とちがう景色、それらが揃う空間でぼーっとすると、日常の延長のようで旅先の風情が漂う時間を過ごしている実感を感じられたなーと思います。

ラウンジを利用できるとなると、クラブルーム以上。

でも中途半端なラウンジだと物悲しくなるのです…。観光地だと家族連れやグループもいたりで落ち着けないし、大型ホテルだと混んでいてリラックスできないことも。

ということを鑑みると、高級ホテルが最適解かなと思います。

さてどこで?

こんな諸々の条件から私が今回選んだのが、「ニューオータニ エグゼクティブハウス禅」。

これがもう期待以上の最高の体験でした…!気に入りすぎて、4か月経たないうちに2回訪れたほど

ニューオータニの本館の11・12階に位置する、「ホテル・イン・ホテル」をコンセプトに“スーパーラグジュアリーホテル”を謳う特別室です。

フロントやラウンジはメインタワーにある通常客室とは別で、エグゼクティブハウス禅として独立しています。「ホテル・イン・ホテル」とありますが、感覚としてはクラブフロアやエグゼクティブフロアと同じかな。

高級ホテルは都内にも数多あるのですが、この「エグゼクティブハウス禅」にはほかのホテルではなかなか見られない特徴が多数。それが今回この禅に決めたポイントでもあります。

1. ピエール・エルメ尽くし

禅だけの味がこれでもかと用意されています。マカロン、コンフィチュール、そしてクロワッサン。エルメのクロワッサンが食べられるのは日本でここだけとのこと。フランボワーズのコンポートとライチ、ローズ風味のマジパンが包み込まれた「イスパハン」は10〜3月に提供される名物だそう。

提供される時間帯はアフタヌーンティーと朝食だったので、アフタヌーンティーで1個、翌朝に1個ぜひ(甘党にとっても結構なボリュームです)。

2. 空気が良い

ニューオータニは全1,479室と都内有数の超大型ホテルですが、「エグゼクティブハウス禅」はわずか87室。ニューオータニは客室によっては1泊1室2万円程度から宿泊可能ですが、禅は6万円以上。騒がしくなく、東京観光にはしゃぐ観光客にも遭遇しませんでした。ラウンジに慣れている方ばかりで、落ち着いた空間が保たれています。

3. スタッフの質が高い

ニューオータニ自体、ホテル内のどのスタッフの方も物腰やわらかくサービスレベルが一定。そのクオリティに、さらに磨きをかけている印象でした。「エグゼクティブハウス禅」には経験を積んだ方が配属されているのだろうなと感じました。

4. 混雑しない

「エグゼクティブハウス禅」は客室数が多くなく、混雑はありませんでした。

チェックイン後間もないアフタヌーンティーやオードブルで満席に近い時はあったものの、座れないだとかドリンクがなかなか来ないだとかフードがないなどの事態にはならず。長居する人がほぼいなかったからかなと思います。

5. 会員制スパが使い放題

これがかなり大きかったポイントでした。

禅の宿泊者は、「ゴールデンスパ」という会員制スパが使い放題です。ジム、サウナ、大浴場、プールが1箇所に揃っています。

施設自体はいたって普通(むしろ年季を感じるほど)で特にラグジュアリー感はないのですが、なにがすごいかというと手ぶらでOKなところ。Tシャツやバスローブ、タオルのみならず、水着、靴、靴下でさえ…!

私はアフタヌーンティーの後にひと泳ぎし、オードブルとナイトキャップの後にお風呂とサウナに行き、朝風呂にも行きました。

受付のおじさまがこっそり教えてくれたのですが、なんとチェックアウト後でも利用できるとのこと。12時にチェックアウトした後、さらにひと泳ぎとサウナに入ってから帰ることができます。

6. フードプレゼンテーションが6回

フードプレゼンテーションというネーミングにもワクワクしますが、その数なんと6回。

朝から晩まで開いているラウンジはよくありますが、時間帯ごとにメニューをがらっと入れ替えるのは並大抵のことではないですよね…。

チェックイン後のアフタヌーンティー(14:30-16:30)、オードブル(17:30-20:00)、ナイトキャップ(20:00-21:30)、朝食(7:00-10:00)、モーニング(10:00-12:00)、ランチ(12:00-14:00)と計12時間、6種類のフードプレゼンテーションが用意されます。もちろんいつでもアルコールも楽しめます。

アフタヌーンティーにはSATSUKIのケーキが登場。SATSUKIのケーキが並ぶのはアフタヌーンティーの2時間のみので、チェックイン後すぐにおやつの時間にすべし。

普段仕事をしている東京にいながら、まだ陽の高いアフタヌーンティーの時間にシャンパンやワインを飲めるのは、これぞ非日常と思えて幸福感が増幅します。これは“いつもとちがう感”が強いのでとてもおすすめ。

7. SATSUKIの最強の朝食

朝食はなんと6か所から選べます…!エグゼクティブラウンジ、レストラン4か所、ルームサービス。レストランは、SATSUKI・TOWER BUFFET・ガーデンラウンジがブッフェ、 紀尾井 なだ万が和食となっています。

選んだのはもちろんSATSUKI。ピエール・エルメやSATSUKI製のパン、自家製納豆、8種類ものオムレツ、かけ放題のいくらと、夢のようなラインアップです。

食べても食べても制覇できそうにないほどのメニューは、今まで訪れた国内外のどのホテルをもしのぐ充実度。何度訪れても食べ尽くせる気がしません…。

客室はモダン

海外の人を意識しているのか、どことなく日本っぽさを感じるインテリア。アメニティはフェラガモでした。

金曜午後休の極意

この半休リトリートを最大限に楽しむための唯一にして最大の条件は、仕事はきりのいいところまで終えておくこと。これが教訓でした。ラウンジで仕事も大層はかどるのですが、それではリトリートになりきらず…。心残りをつくらずに、オフィスを出た瞬間から仕事のことは意識して忘却の彼方へ。

なぜかというと、精神衛生上というのももちろんありますが、なによりもこの金曜半休リトリートは忙しいからです。フードプレゼンテーションにプール、ジムにサウナにお風呂にお酒と、楽しみ尽くしたいサービスが14:00から12:00の22時間に詰まっているゆえ、仕事に時間をとられてはもったいないなと思います。

そしてもう1つ、未来の自分に残す注意点としては、連日のコンビニにネイルを直す気力もないぐらい忙しい時といえど「土曜に泊まろう」はだめ。土日をつかうのは普通の休日。むしろ週明けにリトリートの反動が来て月曜日の憂鬱度が増すリスクが……。金曜午後から休むことで、平日の昼間からホテルでシャンパンという普段とは異なる時間を実感できるなーと思いました。その実感こそが、パンクしそうな頭も、アップダウンしがちなメンタルも、物理的に疲れている体も、どれもを緊張状態からときほぐす特効薬。

自由に自分のために過ごせる自分を思い出すと、手をつけられずにいた掃除もネイルもまずは小さなことからやってみようかなという気になってきます。

東京に住んでいるゆえの“贅沢”だからこそ、その効果は絶大。普段悩みながら働いている自分も悪くないな、と思えたら、半休以上の投資対効果を得られたといえる気がします。

自分の甘やかし方はあればあるほど良い派ですが、ご褒美型の旅のひとつにこの東京ホテルステイは有力でした…!